6月下旬、空は少しばかり高くて、ふんわりとした風が心地よい朝を迎えていた。ご近所迷惑なども考えて、最寄りの駅裏までバイクを押すことから始まる一日。

SRのキックスターターをカシュカシュやっていると、駅の構内を寝床とするガラの悪い猫が近づいてきて、にゃあとも言わず近くに座り、こちらを見つめている。
駅猫実に緊張感のない朝で、これがまた良い。
キックスタートエンジンがなんとなく暖まったところで、中央高速の調布インターから西へ走り出す。平日の朝は仕事のクルマも多いが、こちらは走行車線をのんびりとお休みモードで進む。

周囲が山だらけになった頃に圏央道に入ると、ほどなく相模原インターに到着。ここからは県道を走りつないで宮ヶ瀬湖へ。

自宅を出てから1時間と少しというところ。ライダーが集まる定番のスポット「鳥居原園地駐車場」で一休み。予報通りに雲は多いが、ときおり青空がのぞくのがいい。
宮ヶ瀬湖平日の朝だというのに、宮ヶ瀬湖にはライダーやドライバーが多い。一服している者もいれば、熱心にボディを磨いている者もいる。“エンスー”と呼ばれるような人が集まっていて、特に会話をするでもなく、適当な距離感を保ちながら独特の空間を作りだしている。
鳥居原園地9時を過ぎたころ、湖畔から少し奥まったところにある「G.S Cafe」へ。お洒落な店内を抜けたところ、中庭に面した落ち着きのあるテラス席に案内された。
モーニングセットの「トースト&目玉焼きとウインナー」をコーヒーで注文する(税込550円)。ふっくらもっちりとしたトーストに目玉焼きとウインナー、ブロッコリーとミニトマトで構成されたプレートは、見た目に楽しいもので、ボリュームもなかなかだ。
モーニングセットこちらのコーヒーは、フレンチプレス式というもの。中挽きにしたコーヒー豆を専用の機械でプレスして抽出する淹れ方で、金属フィルターにこされたコーヒー豆のオイルすらダイレクトに感じられる、少しワイルドで個性的な一杯だ。
いただきます食後はまったりと、ふだん読めない本を読む。仕事場ではお堅い本は読まないことにしている。そういう本は、電車の中やカフェの中、人の息遣いが感じられるような空間で開くことが多い。よくわからないけど。
お固い本

カフェの内観さて、気さくな印象のオーナーは「ここはライダーズカフェじゃないから」と笑うが、コンクリート敷きのバイク置き場はとても綺麗で停め心地が良い。中庭にはドッグランがあるので、愛犬家の常連さんがにこやかにやってくる。カフェバイク置き場G.S Cafeを後にし、宮ヶ瀬湖の湖畔を流しながら帰路に着く。ライダーも多いが白バイも多い。どちらにせよ、本日はバイク日和だ。国道から1本奥に入り、緑の多い脇道を散策するように走ってゆく。

家族への土産は、相模原の名物「オギノパン」のあげぱん(税込1個120円)とする。ここもライダーが集まるスポットで、バイク置き場には常に複数台のバイクが停まっている。
オギノパンのバイク置き場

炭水化物、糖質、脂質(油)と、おじさんの体にはすこぶる相性の悪い食べ物だが、この「いけないなぁ」という背徳感がまた休日の醍醐味だ。現地で1個食べたことはみんなには内緒にしておこう。
オギノパンの袋総走行距離は132km。SR400の心地よい振動と戯れつつ、まったりとしたひと時を過ごせた。

G.S Cafe
営業時間:月・火・土・日・祝の9:00〜16:00
定休日:毎週水・木・金
住 所:神奈川県相模原市緑区鳥屋900-1

 
 

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