生産終了したセローとSR400の販売状況をコチラにまとめたが、他にも最近値上がりした車種はあるのだろうか? 最前線である販売店に現状を聞いてみた。
※調査日は'21年8月下旬
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「コロナ禍」と「生産終了」がバイク高値の理由
新車、中古車を問わず、近頃バイクが大人気だ。
その原因は主に「コロナ禍」と「生産終了」の2つが背景にあるだろう。
まず「コロナ禍」によって、“密”を避けられる趣味や通勤手段としてバイクの需要が高まっている。同時に半導体不足などの影響でメーカーは増産しづらいため、新車の流通が滞り気味。中古車も売れているのにタマ数が減る一方で、相場が上昇している。新車も中古車も、供給が需要に追いついていないのだ。
「生産終了」も高値に追い打ちをかける。まず国内では、'21年10月以降生産のバイク(51cc以上)にABSが義務化される(一部例外あり)。
また、欧州では'21年1月から新排ガス規制のユーロ5が全面適用。国内でも50cc以下を除き、新たな排ガス規制が'22年11月以降に全面適用される(50cc以下は'25年11月以降)。
これらの規制に対応できないバイクは生産終了せざるを得ない。基本設計の古いモデルは対応が難しく、セローやSRといったロングセラーが続々と殿堂入りしている。
「もう新車が手に入らない」「プレミア価格になるかも」といった飢餓感で争奪戦が起き、注文が殺到。手に入れた人が高値で販売している実態がある。
絶版になった、あの名作600SSに動きアリ
近頃、生産終了になったモデルで相場が上昇しているモデルとして、ヤマハの「YZF-R6」が挙げられる。
レッドバロン千葉東の鎗田(やりた)店長によると、「少し前は相場が下がらないといった印象でしたが、近頃は上昇傾向。レースやサーキット走行などを目的とする特定の人に需要が高いようです。特に'17モデル以降の現行型は、新車並みの値段を維持しています」という。
なお、'20年に終売となったカワサキのNinja ZX-14Rは相場に大きな動きはない。また、'21モデルとしてハヤブサが待望の3代目にモデルチェンジしたが、買い替え需要などの動きは目立たず、相場に変化はないという。
ラストと噂される「空冷クルーザー」が大幅上昇!
近頃、最も急上昇しているのがハーレーの「スポーツスター」だ。正式なアナウンスはないものの、生産終了がウワサされており、現に欧州では'20モデルがラスト。米国では既にラインナップ落ちし、空冷の従来型に代わって水冷1252ccのスポーツスターSが発表されている。
中でも人気なのが「フォーティエイトとアイアン」と鎗田店長。「元々人気の高い機種でしたが、新車はまず見ない。中古車相場も一時期より20~30万円上昇しており、中には+50万円以上の車両も見られます」という。一般的な中古車相場は、新車と同じ140~150万円程度で、それ以上の値をつけるタマもある。
人気のミドル直4NKがさらにアップした
他に相場が上がっている車種としては、「250~400ccの直4ネイキッド」が挙げられると鎗田店長。
250クラスのホーネット、バリオスは以前から高かったが、コロナ禍以降はさらにアップし、相場は50万円前後。400クラスでは、高値だったゼファーとZRXが一段と上がり、100万円超も珍しくない。XJR400、GSX400インパルス、イナズマあたりは以前40万~50万円台だったが、今では昔のゼファー、ZRX並みの80万~90万円台にまで上昇しているという。
現在唯一の400cc直4ネイキッドであるCB400SF/SBも相場は上昇。数年前は'07モデル以前のキャブレター車はやや安かったが、やはり値上がりしているという。※CB400シリーズに関してはライター市本サンのコチラを参照。
<まとめ>今後の動向は不透明、欲しい時が買い時だ
「全体的にバイクの中古相場は上がっている」と鎗田店長は話す。今後の見通しについても「全くの不透明」と言うが、「落ち着くとすればコロナが沈静化した後でしょう」。
ただし新車で手に入らない生産終了モデルは、「今後さらに相場が上がる可能性が高いと思います。欲しいと思った時が買い時でしょう」とアドバイスしてくれた。
時期を見計らうのも手だが、早めに入手すれば、その分欲しかったバイクを愛でる時間が長くなる、という考え方もできるだろう。
こちらも参照を。「セロー250、SR400の人気沸騰! 生産終了後の新車&中古車の状況は?」
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