スズキのアドベンチャーバイク・VストロームシリーズのオーナーズミーティングであるVストロームミーティング。初開催は2014年で、途中コロナ禍によるオンライン開催などを行いながらも途切れなく継続開催。現在では、スズキオフィシャルで行われるオーナーズミーティングとしては最も歴史のあるイベントとなっている。去る11月9日、これまでのスズキ浜松本社から静岡県浜松市のスズキ株式会社浜松工場に会場を移してVストロームミーティング2025が開催されることになった。

スズキのアドベンチャーバイク・Vストロームシリーズ。前列右端からVストローム250SX、Vストローム800DE、Vストローム1050DE。後列右からVストローム250、Vストローム800、Vストローム1050。Vストローム650/XTは2025年11月現在生産終了となっている。

スズキのアドベンチャーバイク・Vストロームシリーズ。前列右端からVストローム250SXVストローム800DEVストローム1050DE。後列右からVストローム250Vストローム800Vストローム1050。Vストローム650/XTは2025年11月現在、生産終了となっている。

 

年々、来場者数が増えているVストロームミーティング。そんなこともあり今年から会場を本社ではなく、静岡県浜松市のスズキ株式会社浜松工場へと移すことになったのだが、これがなかなかすごかった。というのもこの浜松工場では、Vストローム1050/DE、Vストローム800/DEといったモデルを実際に製造しており、イベントではこの浜松工場の製造ラインを見学できるツアーも開催して大人気となったのだ。

イベントオリジナルグッズを求めて開場前から行列ができるのもこのイベントの恒例。見事、限定Tシャツを手に入れてホクホクだ!!

イベントオリジナルグッズを求めて開場前から行列ができるのも、このVストロームミーティングの恒例。見事、お目当ての限定Tシャツを手に入れてホクホクだ!!

Vストロームミーティング2025が新会場「スズキ浜松工場」で開催!!

今年はあいにくの雨模様となったが、さすがは旅の達人Vストロームシリーズのオーナー達で“雨など関係ない”とばかりに688台、912人が会場に駆けつけた。

会場変更とともにオーナーが喜ぶ企画が増えたぞ!!

長蛇の列ができた製造ラインの見学できる完成工場見学のツアー。内部を写真で見せられないのが残念!! 右写真の右からVストローム1050、Vストローム1050DE、Vストローム800/DEはこの浜松工場で生産されているのだ。

長蛇の列ができた完成工場見学ツアー。製造ラインの見学ができるというもので内部を写真で見せられないのが残念!! 写真の右からVストローム1050/DE、Vストローム800DE、Vストローム800。いずれもこの浜松工場で生産されている。

 

残念ながら撮影禁止だったため工場内部の様子はお見せできないが、現場ではちょうどVストローム800シリーズが製造されているところであり、作業自体は行われていないもののエンジンの組み立てラインから、エンジンにフレームやパーツを組み付けて、検査するまでの一連の様子がわかりやすく見学できた。

より大きなキャパシティを求めて今回からスズキ株式会社浜松工場が会場に。広々とした駐輪場を持ち、よりたくさんのオーナーを迎え入れる準備が整った。

より大きなキャパシティを求めて今回からスズキ株式会社浜松工場が会場に。広々とした駐輪場を持ち、よりたくさんのオーナーを迎え入れる準備が整った。

 

来場者の注目を特に集めていたのが新企画である「工場ブース」。Vストロームシリーズのエンジンカットモデルやフレームなどを展示し、来場者が持ち上げたり、クランクシャフトを動かしたりしながら内部の様子が見られるようにしている。

黒山の人だかりとなった工場ブース。10月12日に行われたGSX-S/Rミーティングからスタートした企画であるが、愛機についてより深く知ることができる。オーナーにとってこれほど嬉しい機会はないだろう。

黒山の人だかりとなった工場ブース。10月12日に行われたGSX-S/Rミーティングからスタートした企画であるが、愛機についてより深く知ることができるようになっている。

 

すごいのは、エンジンやフレームなどの技術者による解説もその場で直接聞けること。愛機のエンジンやフレームを作った技術者と直接話すことができて、しかも疑問があれば直接質問可能なのである。オーナーにとってこれほど嬉しいことはないのではなかろうか?

愛機のエンジンの内部や構造を見て、動かして、しかも詳しい解説が技術者から聞くことができる。この「工場ブース」見学だけでVストロームミーティングに参加する意味がある。

愛機のエンジンの内部や構造を見て、動かして、しかも詳しい解説を技術者から聞くことができる。この「工場ブース」見学するためだけでもVストロームミーティングに参加する意味がある。

ステージイベントが多彩なVストロームミーティング

開会宣言を行うスズキの鈴木俊宏社長。スズキのトップが来場し、参加者と一緒に催しを楽しむのもスズキのイベントならでは!!

開会宣言を行うスズキの鈴木俊宏社長。スズキのトップが来場し、参加者と一緒に催しを楽しむのもスズキのイベントならでは!!

 

今年から会場を移したことでパワーアップしたVストロームミーティングであるが、従来からの豪華なステージイベントは変更なし! スズキの鈴木俊宏社長による開会宣言が行われたあとは、Vストローム開発陣を招いての「設計者トークショー」を開催。

今回登壇したのは、左からVストローム800/DEのチーフエンジニア:加藤幸生さん、Vストローム1050/DEのチーフエンジニア:東郷隼也さん、Vストローム250/SXのチーフエンジニア:鈴木一立さん。

今回登壇したのは、左からVストローム800/DEのチーフエンジニア:加藤幸生さん、Vストローム1050/DEのチーフエンジニア:東郷隼也さん、Vストローム250/SXのチーフエンジニア:鈴木一立さん。

 

この「設計者トークショー」では、毎度二輪ジャーナリストであるノア・セレン氏による“突っ込んだ話”をすることが人気となっているが、今回のツッコミ焦点はやはり“Vストローム650シリーズの継続はあるのか!?”というところ。というのも2025年11月現在、Vストローム650シリーズは生産終了が発表されている……のだが、この11月4日〜5日まで開催されたEICMA2025(ミラノショー)で、スズキがVストローム650と同系と思われるV型2気筒エンジンを搭載したSV-7GXを突如発表したのだからたまらない。

当然ながらVストロームオーナーとしては、このSV-7GXのエンジンを使ったVストローム650の後継機が登場するのか? しないのか? それがとっても気になるというワケである。

ノア・セレン氏が執拗に開発陣に「で、Vストローム650は出るんですか?」と問いかけるが、開発陣からは明確な回答はもらえなかった。

ノア・セレン氏が執拗に「……で、Vストローム650は出るんですか?」と開発陣へ問いかけるが、開発陣からは明確な回答はついぞもらえなかった(当たり前だけどね!)。

 

残念ながら開発陣からの明確な答えは得られなかったものの、「工場ブース」のコーナーに“なぜか発表されたばかりのSV-7GXのエンジン”が展示されていたりしたので、いずれVストローム650は電子制御スロットルを得て復活するとみて間違いない!……というのが筆者の個人的な見解。このVストローム650シリーズが搭載するDOHC V型2気筒エンジンは名機と名高く、ファンも多いだけに非常に喜ばしいことである。

Vストロームシリーズではない、SV-7GXのエンジンが、「工場ブース」の一番目立つところに置かれていて意味深!

Vストロームシリーズではない、SV-7GXのエンジンが、なぜか「工場ブース」の一番目立つところに置かれていて、とっても意味深!

 

午後からは、冒険家の賀曽利 隆さんによるトークショーも開催。今年9月に78歳となった賀曽利さんだが、なんとナイロビからアフリカ最南端・希望峰まで8000km以上の旅から帰国し、空港から直接この会場にやってきたというから驚き!

“生涯旅人”を公言し人生総走行距離200万キロ達成に向けて走り続けている鉄人・賀曽利 隆さん(中央)、右はツーリングマップル編集長の舛木 信太郎さんで、左はMCの浜崎 美保さん。ミルキーボイスの浜崎 美保さんは、初開催の2014年から総合司会を務めている。

“生涯旅人”を公言し人生総走行距離200万km達成に向けて日夜走り続けている鉄人・賀曽利 隆さん(中央)、右はツーリングマップル編集長の舛木 信太郎さんで、左はMCの浜崎 美保さん。ミルキーボイスの浜崎 美保さんは、初開催の2014年から総合司会を担当している。

恒例のじゃんけん大会や各賞の発表を行ったのはVストローム250オーナーである津田 拓也選手。

恒例のじゃんけん大会や各賞の発表を行ったのはVストローム250オーナーである津田 拓也選手。

 

浜松工場に会場を移してパワーアップしたVストロームミーティングは、来年も開催予定(のハズ!!)。開催時期もおそらく例年どおり11月なので、ぜひVストロームシリーズオーナーは(そうでなくても!)スケジュールを開けておこう!!

用品・タイヤメーカーなど、Vストロームシリーズ縁のメーカーがブースを出展。自慢のアイテムを取り付けたデモンストレーションモデルが何台も展示されていたぞ!!

用品・タイヤメーカーなど、Vストロームシリーズに所縁のある各社がブースを出展。自慢のアイテムを取り付けたデモンストレーションモデルが何台も展示されていた。

最後は、鈴木俊宏社長(左)、伊勢 敬二輪事業本部長(左から2番目)など錚々たるメンバーが来場者をお見送り。また来年、この会場で会いましょう!!

最後は、鈴木俊宏社長(左)、伊勢 敬二輪事業本部長(左から2番目)など錚々たるメンバーが来場者をお見送り。みなさん、また来年お会いしましょう!!

 

 

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