ついに10周年!
東の海に昇る朝日を見てスタートし、太陽を追い駆けながら日本列島を横断。石川県の千里浜に沈む夕日を見送る壮大なスケールのアドベンチャーラリー「SSTR(サンライズサンセットツーリングラリー)」が、今年もおこなわれます。
今年で10回目を迎える「SSTR2022」の開催期間は5月21日(土)から5月29日(日)までの1週間。エントリー受付はすでに終了しています。
じつはボク。前回2021年と前々回の20年、2年連続で参加しました。
「SSTR」がどのようなものか、実際にエントリーしたボクがご紹介いたしましょう。
日没までに千里浜へ
オートバイ冒険家である風間深志さんが発案し主催する「SSTR」。ルールは単純明快で、日の出とともに参加者自身で定めた日本列島の太平洋側からスタートし、日没までに千里浜にゴールすればいいのです。
ただし、ゴールまでにクリアすべきいくつかのミッションが用意されています。「SSTR2022」ではゴールまでに以下の4つの条件を達成し、「完走」を目指します。
1.日本海の反対側となる海岸を、日の出時刻以降にスタートする。
2.SSTR運営委員会が選出した「指定道の駅」の中から1ヶ所以上に立ち寄る。
3.道の駅や高速道路のパーキング/サービスエリア等に立ち寄り、立ち寄りポイントを15ポイント以上獲得する。
4.石川県の千里浜なぎさドライブウェイに、同日の日の入り時刻までに到着する。
※下記が発覚した場合は完走とみなしません。
・参加車両の乗り換えや運転者の途中交代(ただし同乗者との運転交代は可とする)
・走行経路・走行時間から、明らかな速度違反や休憩不足が認められた場合。
パリダカのゴールで見た光景が忘れられない
参加するにあたって、ボクは主催者である風間深志さんをインタビューすることができました。
風間さんは1980年にキリマンジャロをバイクでよじのぼり、82年には世界一過酷なモータースポーツと言われた「パリダカールラリー」に日本人として初参戦しました。
バイクで世界最高峰エベレストに挑み、高度6005メートルの世界高度記録を樹立したほか、87年に北極点、92年に南極点にそれぞれ到達するなど、数々の金字塔を打ち立ててきた偉大なるバイク冒険家です。
地球の果てまで走り尽くした風間さんですだが、パリダカのゴールで見た光景が忘れられないと言います。
日の出とともに太陽を追いかけ、苦難の末にたどり着くセネガルの海岸でのヴィクトリーラン。「あの感動を日本のライダーにも味わってもらいたい」と「SSTR」を思いついたと教えてくれました。
2013年6月に16人のメンバーでプレランし、同年10月に130台の参加者を集めて第1回がスタート。年々参加者が増え続け、今年は定員8881台のビッグイベントとなっています。
冒険のはじまり
昨年、ボクはハーレーダビッドソンの新型アドベンチャーモデル『パンアメリカ1250S』でSSTR2021に参加しました。
「一緒に行きませんか!」と誘ったのが、『BMW BIKES』誌編集長の櫻井伸樹さん。愛車の『R1250GS』で同行してくれたのです。
ハーレーとBMWの大排気量アドベンチャー2台で千里浜を目指します。1泊2日、往復1000kmの旅のスタート地点に選んだのは、東京湾の最深部・市川港。
ボクたちは暗いうちから集合し、連番のゼッケンを貼ったパンアメリカとGSを並べました。どちらも大柄な車体で、迫力のある堂々たる姿。東の空が赤みを増し日が昇ると、いよいよ出発です!
スマートフォンで専用サイトにログインし、スタート地点を登録すると、参加者がその日、正式にエントリーしたこととなります。立ち寄りポイントも登録し、ポイントを獲得していくのです。
太陽を追いかけろ!
首都高で都心を抜け、中央道をひたすら西へ。松本インターで降り、安房トンネルを抜けていく。計画しておいた立ち寄りポイントを次々にクリアしつつ、風間さんが言う通り太陽を追いかけます。
日々の生活に追われて、見上げることが少なくなってしまった大きな空。都会に生きて、感じることが少なくなってしまった自然。SSTRに参加することで、たっぷり堪能できるではありませんか。
ボクらは安全運転を心がけ、千里浜にたどり着きました。スピード違反や無謀な運転をしてまで「完走」する意味なんてありません。風間さんがそう教えてくれました。
感動のゴールが待っている
日本で唯一、海外でも珍しい、バイクやクルマで砂浜を走ることのできる自動車道。能登半島の付け根あたり、石川県羽咋(はくい)市にある全長約8kmの「千里浜なぎさドライブウェイ」にたどり着きました。
水平線に沈みゆく茜色の夕日を眺めつつ、波打ち際をバイクで疾走。楽しさを通り越し、この上ない幸福感を噛みしめます。バイク乗りでよかったと込み上げるものがあり、感動のひとときです。
SSTRは参加者の優劣を競う競技ではなく、参加者の自作自演のドラマなのかもしれません。一人一人それぞれの感動体験がそこにはあります。
ゴールである千里浜の走行シーンと風間さんのインタビューを動画で収録しています。ぜひご覧ください。
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