♪「か~ぎ~り~ないものっ それが欲望ォォォォ~~~ッ」とは筆者が大好きな井上陽水大先生の名曲ですが、本当に人間の欲求というのはキリがないものでございます。1985年の発売当初、市販二輪車トップ・オブ・ザ・トップだった145馬力を誇示しつつ登場した「VMAX」ですけれど、続いていく熱狂のなか車両が広く行きわたっていくにつれ「もっとパワーを~!」と叫ぶ人が現れ、それに応えるショップも登場し……!?

1993年式VMAX1200カタログ女性

●タイトル文字の背景とコチラともども1993年型ヤマハ「VMAX1200」カタログより。いやぁ、セクシーなブロンドヘア美人と武骨そのものな“魔神”とのコラボはヒジョーに映え(←もはや死語?)ますね〜。左腕に載せたアゴの延長上にビシッと決まっている音叉マーク(とその下のYAMAHAロゴ)の配置も完璧。……撮影のため長時間とっていたであろうこのポーズ、相当にきっついと思うのですけれど!? 本当にオツカレサマでした(^^ゞ

 

 

VMAXという孤高の“魔神”【その3】はコチラ!

 

VMAXという孤高の“魔神”【その5】は今しばらくお待ちください m(_ _)m

 

今回のオープニング与太話は孤高のフォークシンガー……m(_ _)m

 

井上陽水大先生のことをナウなヤングに聞いたなら『少年時代』『リバーサイドホテル』くらいは、リバイバルヒットのおかげで知っているかな~?

少年時代 映画

1990年8月に公開された東宝映画『少年時代』(写真はDVDパッケージ)は、製作・原作・企画: 藤子不二雄A 監督:篠田正浩 原作:柏原兵三 脚本:山田太一 出演:岩下志麻/藤田哲也/堀岡裕二/仙道敦子ほかという豪華なキャストで制作された少年疎開をテーマにした感動大作。その主題歌が井上陽水大先生の『少年時代』だったのですね〜。あれから30余年が経過した今でも折に触れメディアで流される名曲となりました

 

 

もう少しシニア寄りなら『夢の中へ』『東へ西へ』だったり「日産セフィーロのCMに出てた人?」なんてネタが出てくるかもしれません。

 

 

しかし、そういうライトなファンの方にこそ超大ヒット有名盤『氷の世界』より前に出た初アルバム『断絶』と次の『陽水Ⅱセンチメンタル』も是非聴いていただきたいッ!

井上陽水 断絶

●井上陽水大先生のファーストアルバムである『断絶』。アンドレ・カンドレとして活動していた大先生が、井上陽水の名義で再デビューを果たした作品。1972年5月1日リリースっす

 

 

冒頭で述べた曲のタイトルはそのものズバリ『限りない欲望』『断絶』に収録されており、心に迫る熱いメロディと鋭い歌詞との相乗効果が魂を揺さぶります。

 

 

魂を揺さぶるといえば「VMAX」(うまくつなげたつもり(^^ゞ)。

 

 

存在感と力感がありまくりな1.2ℓV4エンジンを相対的に華奢なシャシーへ搭載したことで、スロットルを捻るたび荒々しい挙動が乗り手の感性を直撃!

VMAX北米仕様

1986年型北米仕様「VMX12(V-MAX)」。シリンダー挟角70度の1198㏄水冷4ストV型4気筒DOHC4バルブエンジンは“Vブースト”付き4連ダウンドラフトキャブレター (ミクニ・BDS35)の実力と相まって最高出力145馬力/9000rpm、最大トルク12.4kgm/7500rpm(変速機は5速リターン)を発揮! 全長2300×全幅795×全高1160㎜。ホイールベース1590㎜、キャスター角29゜、トレール量119㎜、最低地上高145㎜。燃料タンク容量15ℓ、シート高765㎜、装備重量274㎏。ブレーキ形式(前・後)φ310㎜ダブルディスク・φ230㎜ディスク……。初期型は5本スポークタイプのホイールや、まだインナーチューブ径の細かったフォークなどのせいでフロント周りが特にほっそり感じられます

 

 

その魅力にヤられるライダーは着実に増えていきました。

心を射抜かれた男性

●1990年代前半なんて、まだインターネットもそんなに普及していませんでしたからね。ニフティサーブのフォーラムは盛り上がっていましたが。多くのライダーはバイク雑誌の情報ひとつでエイヤッとビッグバイクを購入していたのです

 

自分だけの“魔神”を目指したカスタム熱が激しく燃え上がるッ!

 

1990年に登場し、賛否両論が激しく渦巻いた国内仕様「VMAX1200」も、なんだかんだいって一定以上の支持を得ましたし、円高のおかげもあり買いやすくなっていた海外仕様も絶好調……。

1990年型VMAX1200日本仕様

1990年型日本仕様「VMAX1200」。1197㏄水冷4ストV型4気筒DOHC4バルブエンジンはVブーストが取り外されて最高出力97馬力/7000rpm、最大トルク11.3㎏m/6000rpm。燃料タンク容量15ℓ、シート高765㎜、装備重量284㎏。当然、180㎞/hリミッターも付いておりました。プライスタグは89万円(※税抜き価格・以下同)

 

 

1990年からモーターサイクリスト誌のアルバイトとして編集部に潜り込み、ショップ、市街地バイクスポット、ワインディング、高速道路SA・PAなどへ取材でよく足を運んでいた筆者の目にも日に日に「VMAX」の勇姿が飛び込んでくるようになったものです。

ラムちゃん

●モーターサイクリスト“読者からの年賀状”コーナー(1985年3月号)に掲載された筆者の……いや輝かしい歴史。まさかそのMC編集部にて働きだし、ホンダNRをコカしたりすることになろうとは(笑)。アルバイト時代は何もかもが新鮮で楽しかったなぁ!

 

 

そうなると必然的に始まるのが「カスタム&チューニング」ですね。

 

 

この話題になると、とあるお店の取材で知り合った「VMAX」オーナーの例が記憶の底から浮かび上がってまいります。

 

 

その方は初めて会ったとき「やっぱり正規販売ショップはアフターサービスも安心でしょうし、大バーゲン価格だと思ったので国内仕様を購入しました。馬力? 日本国内を走るのですから97馬力で十分でしょ?」といいつつVMAX道をスタート。

真面目な人イメージ

●最初に会ったときはホント、こんな雰囲気の方でした……

 

 

しばらくはおとなしくノーマルで乗られていたそうですが、会社の後輩がフルパワー仕様を購入したことで……着火(^^ゞ。

 

 

マフラーを換え、サブフレームとステアリングダンパーなども装着し、気が付けば後付けVブーストキットまで組み込んで~などなど。

VMAXカスタム

●「VMAX」は世界中で大ヒットしたモデルですから北米、欧州、そして日本のリプレイスパーツメーカーがこぞって高品質な製品を開発! マフラーひとつとってもスーパートラップ、ヨシムラ、Rocket、SP忠男、BEET、LASER、KERKER、オーヴァー、ESPER4本出しなどなど多種多様で眺めているだけでも面白かったものです。サブフレームやウインドスクリーン装着も定番でしたね〜(写真はレッドバロンの在庫中古車一例)

 

 

 

イベントや取材先で縁あって遭遇するたび、センスよく派手に“ちょっ速”仕様へなっていく“魔神”の変貌ぶりに驚かされたものです。

 

 

「知ってます? 日本仕様をフルパワー化したほうが海外モデルより気持ちよ~く、さらに速くなるんですよ!」といったご高説を何度となく賜りました。

V-MAXファイル

●絢爛豪華なカスタム車両と高濃度なチューニング情報がテンコ盛りなため、VMAXオーナー&オーナー予備軍だけでなく、筆者のようなヤジ馬(?)も思わず買ってしまったスタジオタッククリエイティブ刊『ヤマハ V-マックス ファイル』。こちら以降“ファイル・2”、“ファイル・3”と続いていき、1700を網羅した“ファイル・5”まで刊行されたのですから本当に「VMAX」は語るべき内容が多かったモデルなのですね。あ、ちなみに「SR」は“ファイル・8”までイッてます(^^ゞ

 

 

興味深く話を聞いていると、くだんの後輩さんもさりげなく張り合っていたようで「近いうちに彼はターボを装着するって言ってたなぁ……」と遠い目をなされていましたので、「あ、このヒトも絶対にマネするぞ……」と思ったものです。

燃えるお兄さん

●愛車が“ちょっ速”仕様へなるにつれ黒縁メガネはコンタクトになり、ヘアスタイルもライディングウエアも垢抜けていった国内仕様カスタムマン。“魔神”の魔力は乗り手にも多大なる影響を与えたと言えるでしょう

 

 

残念ながらそのとき以降会えずじまいで、力の象徴に魅入られし2人のバトルがどうなったのか、今もって気にはなっているのですけれど(^^ゞ。

 

まさしく鬼に金棒! 「VMAX」にターボチャージャー!!

 

 

そうなのです。

 

 

ただでさえ馬力が有り余っているように思える「VMAX」なのですが、オーナーのうち数(十?)%は“モアパワー”方向の欲望が限〜り〜なく湧いてしまうようでして、そちらへ対応してくれるショップは一躍脚光を浴びました。

パワー!

●一度マッチョループ(?)に陥ってしまうと「パワーはいくらあってもイイ! もっとくれ!」となるとか!?

 

 

中でも神奈川県川崎市にある「ESPER(エスパー)」は筆者も何度となく取材に伺った超有名店

 

 

何と言っても「VMAX」の各種カスタムはもちろん、ターボ装着のノウハウに関しては右に出る者はいないと言っても過言ではないでしょう。

ESPER2013年

●2013年、筆者が訪れたときの店内カット。当時はすでに“1700”もデビューしてました……

 

 

編集部時代、取材撮影のためESPERさんのターボデモ車を少し運転させてもらったこともあるのですが、中〜高回転域で過給がフルにかかったときのダッシュ力はそれはもう筆舌に尽くしがたいレベル! 

 

 

周囲の景色がコマ送りで吹っ飛んでいくような加速には身震いしました。

キャブレター?

●ポテンシャルあふれるV4エンジンへ排ガスの力を利用して混合気を押し込むターボチャージャー……。FI化された“1700”はもちろん、キャブレターの“1200”でもしっかり性能を引き出すノウハウはさすが! 「VMAX ターボ」などで検索すると多彩な情報が山ほど出てきますよ〜

 

 

それでいて、ストップ&ゴーだらけな市街地をフツーに走ることもできてしまう柔軟性のあるセッティングには舌を巻きましたね~。

 

ビッグバイク☆カスタム特需に沸きまくった二輪ギョーカイ……

 

そんなトップ・オブ・ザ・トップな頂点カスタムの存在が、また高い人気を呼んで販売を加速させ、数多く車両が世に出回ればカスタムパーツも大量に開発&流通するため部品メーカー&ショップも潤う……。

 

 

解禁され活性化したオーバーナナハン市場でも「GPZ900R」や「ZZ-R1100」、「GSX1100Sカタナ」、「FJ1100/1200」、そして「ゼファー1100」「CB1000スーパーフォア」以降のビッグネイキッド群を含め、

ZZ-R1100最高速チャレンジ

●八重洲出版 モーターサイクリスト 1990年8月号の記事より。GoProもデジタルカメラもなかった時代。カワサキ「ZZ-R1100」を駆りメーター読み300㎞/h超え(実測値は290.50㎞/h)で谷田部テストコースを全開走行中にライダー(宮崎敬一郎氏)自身が、タンクの上に設置したフィルムカメラのシャッターを押す……冗談抜きに命がけの取材! これら最高速挑戦の記事が「ZZ-R1100」大ブームを巻き起こし、かくいう熱気が「CBR1100XXブラックバード」や「GSX1300Rハヤブサ」などのメガスポーツを次々と誕生させていったのです

 

 

1990年代初頭から中盤にかけては限〜り〜ない欲望が充足していくユーザー、メーカー(逆輸入ディストリビューター含む)、カスタムショップの三方が全て“ヨシ”なハッピーに過ぎるサイクルがブンブンと音を立てて回っていたなぁ……と、現状と比較してちょいとばかりもの悲しくなりながら遠い目をしてしまいますネ。

がんばろう!

●まぁ、昔を懐かしがったところで“その頃”が戻ってくるわけではございませんいつだって今が一番若い! 現状を正しく認識しつつ踏ん張って、ライフもバイクライフも充実させてまいりましょう!

 

スタイル不変! されど細部は確実にアップデートした「VMAX」!

 

 

かくいう時期、「VMAX」本体もまた細かく、かつ着実に進化を遂げていきました。

 

 

1993年には北米仕様が登場から8年目にして初のメジャーアップグレードを敢行! 

 

 

フロントフォークのインナーチューブ直径がφ40㎜からφ43㎜へとサイズアップして前輪まわりの剛性が大幅に向上しました。

1993年型北米VMAX

●1993年型北米仕様「VMX12(V-MAX)」。新色として導入されたダークバイオレットカクテル1はイイ色ですね〜、塗色部分は少ないですけれど(^▽^)/

 

 

それに合わせて制動装置も生まれ変わり、フロントブレーキのローター径をφ282㎜からφ298㎜へ拡大するとともにフローティング化

 

 

なおかつブレーキキャリパーは従来型の単なる2ポッド式から焼結パットまで装備した異形4ポッドタイプへと変更され絶対的なストッピングパワーはもちろん、右手レバーの操作フィーリングまで改善したと大きな話題に……。

フロントブレーキ

コントローラブル、かつ強力な制動力を手に入れた(写真は1993年型北米仕様「VMX12(V-MAX)」 )

 

 

従来型オーナーが泣いて悔しがり純正パーツ流用チューニングはもちろん、「ならばいっそ!」とばかりブレンボ、APロッキード、パフォーマンスマシン、トキコなどの社外品スペシャルキャリパーへ付け替えるオーナーが続出したとかしないとか(^^ゞ

 

 

時をほぼ同じくしてリリースされた国内仕様「VMAX1200」には海外仕様同様の前輪周り改良が施されるとともにヘッドライト常時点灯化ハザードランプが追加され、税抜き当時価格(※以下同)は89万円から92万円へ3万円の値上がりを受けました。

国内仕様1993年型

●1993年型国内仕様「VMAX1200」。色名はベリーダークバイオレットカクテル1

 

 

国内仕様はこのまましばらく変更なし

 

 

北米仕様は1994年に“イエローマックス”

1994年型イエローマックス

●レディッシュイエローカクテル1もよろしいですなぁ! ブロックパターンを描き込みたい……(^^ゞ

 

 

1995年には従来の赤とは色味の異なる“レッドマックス”が登場しております(機構面ではカートリッジ式オイルエレメントを新採用)。

レッドマックス

●赤というか……朱色に近づいたようなファイヤーレッド。まさしくファイヤーパターンを描き込んだ人多し(^▽^)

 

 

そして1995年デビューの国内仕様は“ブラックマックス”へと変化! 

ブラックマックス

●1995年10月1日に発売が開始され、ヤマハ公式では1996年モデルとされている国内仕様「VMAX1200」……通称“ブラックマックス”(色名称はブラック2)! フロントフォークのアウターチューブ、サイトカバー下半分、リヤサスのスプリングなどを黒くしていますが、何と言ってもホイール&マフラーがブラックアウトされた効果は絶大ですね。そのぶんフロントブレーキローター取り付け部のゴールド加工が際立つという仕掛け……。価格は2万円値上がりして94万円となりました

 

 

こちらは1993年の東京モーターショーでヤマハブースに飾られた参考出品車をさらにモディファイしたモデルとも言え、ブラックアウトされた各部が「VMAX」の精悍さをいや増していました。

1993年ショーモデルブラックマックス

●ミラーやメーターケース、ウインカーボディも黒く塗られ、フロントブレーキローターのフローティングピンも赤色が配されていた1993年TMS参考出品車……。やはり市販版のほうがまとまっていると感じるのは筆者だけ!?

 

 

当然、海外からも引き合いがあったのでしょう。

 

 

“ブラックマックス”のエッセンスは1996年モデルからの北米仕様と欧州仕様にも受け継がれていきます。

 

 

翌1997年には海外仕様に“シルバーマックス”が登場し、コチラは日本における逆輸入車市場でも大人気となりました。

1997年USAシルバーマックス

●写真は1997年型の北米仕様。カラーリングの名称はニューシルバーダスト……オシャレですね

 

 

やはりいざ自分が購入するとなると派手な黄色や赤色には抵抗があるライダーが多かったのですかね……ジャパニーズはToo shy shyなボーイズ&ガールズが大多数ですから(なお、『TOO SHY SHY BOY!』は観月ありささんの代表曲)。

 

 

そして忘れてはならないのが、同年1997年に開催された東京モーターショーにてベールを脱いだ参考出品車です。

 

金色に輝くブレンボ製フロントブレーキキャリパーとオーリンズ製リヤショック、さらには各部にピカピカな鏡面めっきが施されたスペシャル感満載のモデルで、1993年のショーモデル→翌年に市販された“ブラックマックス”よろしく発売が期待されましたが……ユーザーの願いは届かずお蔵入りに。

1997参考出品VMAX

●愛称を強いて名付ければ“ミラーマックス”!? 発売されていれば絶対にウケたと思うのですけれど……

 

 

その代わり?かどうかはわかりませんが、1998年モデルの国内仕様「VMAX1200」は“シルバーマックス”化して、ホイールやマフラーも銀色がギンギン! 

1998年型シルバーマックス日本

●1998年型国内仕様「VMAX1200」。塗色の正式名はマットチタン1なので愛称も正しくは“チタンマックス”と呼ぶべきか……!?

 

 

それなのに5万円も値下げされて1990年の国内仕様登場当時と同じ89万円という感動プライスに! 

 

 

……というのも、この1998年型を持って国内仕様は最終モデルとなり、翌1999年にはラインアップから消え去ってしまいました。

1998年型カタログ

●1998年型「VMAX1200」カタログより。右上のキャッチコピーは……ちょっと何言ってるかわからない(byサンドウイッチマン)

 

 

「オイオイ、国内モデルが絶版になっちゃったよ。衝撃のデビューからもう15年にもなるし、海外の『VMAX』もそろそろなくなってしまうのでは?」と、リアル世紀末2000年問題なども重なってザワつく世間へ呼応するように右往左往しだす「VMAX」ライダー予備軍たち……。

 

 

駄菓子菓子! 

 

 

ここからヤマハ開発陣は驚きの粘り腰を発揮していくのです……。

プレスト逆車カタログ

●2005年型「VMAX1200」逆輸入車版カタログより。左上のロゴは……あの会社!

 

 

というわけで次回は1200版「VMAX」の終焉までをお伝えする予定です!

 

【おまけ】打倒“魔神”!を目指したホンダの最終ウエポン「X4」登場!

1997年ホンダX4

●“魔神”に先立って1984年にデビューしたカワサキ「エリミネーター900」は1985年モデルで早々に姿を消し(こちらの巻末記事を参照)当てはめるジャンルも見当たらない唯一無二の存在として君臨してきた「VMAX」。……でしたが、干支もひとまわりしちゃった12年後の1997年の3月15日、ホンダから満を持して「X4(エックスフォー)」が登場いたします! 1284㏄水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブエンジンは最高出力100馬力/6500rpm【97馬力/7000rpm ※以下1995年型国内仕様「VMAX1200」諸元など】、最大トルク12.3㎏m/5000rpm【11.3㎏m/6000rpm】。全長×全幅×全高は2330×745×1140㎜【2300×785×1175㎜】。ホイールベース1650㎜【1590㎜】、キャスター角29゜【31°】、トレール量135㎜【119㎜】、最低地上高135㎜【155㎜】。燃料タンク容量15ℓ【15ℓ】、シート高730㎜【765㎜】、車両重量270㎏【284㎏】。タイヤ前・後120/70ZR18・190/60ZR17【110/90-18・150/90-15】……で、価格は89万円【94万円】。お買い得感が凄いですね!

1998年式ホンダX4

●「パワードカスタム」をキーワードに開発され、登場直後は大ヒットを記録した「X4」。販売開始から1年も経たない1998年1月にはデビュー時の銀・茶・黒3色に加え銀を追加。1998年11月にはカラーリングバリエーションを整理すると同時に燃料タンクへ立体エンブレムを配する改良を実施(上写真)。価格は89万円で据え置き!

2000年型X4タイプLD

●2000年3月10日からは排ガス規制をクリアすると同時に、より低重心化したローダウンフォルムに磨きをかけた「X4 Type LD」として仕切り直し! 730㎜だったシート高は720㎜となり、ハンドル位置も大幅に変更を受けてライディングの自由度をアップ。その他各部へ多岐にわたる改良を行いつつ価格は据え置き89万円! ……だったのですが残念ながら、こちらが最終モデルとなりました

1995ショーモデル X4コンセプト

1995年の東京モーターショーにて展示された参考出品車。ここから1年以上かけてデザインが大きくモディファイされ「X4」として市販化されたことがわかります

 

 

あ、というわけで実に40年も前から誠実に「VMAX」を販売してきたレッドバロンでは、逆輸入車と国内仕様の豊富な中古車両だけでなくマフラーを中心としたカスタムパーツも多数在庫しております! 車両購入時にセレクトして納車時までに装着してもらうことも可能! まずはお近くの店舗で相談してみてくださいね~(^^ゞ

 

 

VMAXという孤高の“魔神”【その5】は今しばらくお待ちください m(_ _)m

 

VMAXという孤高の“魔神”【その3】はコチラ!

 

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