バイク用ハードケースとして超有名なGIVI。その信頼性とスタイルはバツグンで、憧れているライダーも多いことだろう。そこで筆者が愛車スーパーカブ110(JA44)に初めてGIVIを装着。選んだのは定番ベストセラーのモノロックケースだ。まず今回は装着するまでをレポート!
●取材協力:Webike

40年以上ベストセラーの実力はダテじゃない!

既にこのForRでは何度も登場しているが、普段はド定番の「ホムセン箱」(ホームセンターで売っている収納コンテナ)をスーパーカブ110(JA44 2021年式)に使っている筆者。GIVIはまさに高嶺の花だが、そんな矢先、テスト用にGIVIをお借りする機会を得た。

取り付けるのにちょっとだけ苦労したので、カブ主のために装着のノウハウとインプレを残しておきたい。

↑筆者のスーパーカブ110は、スポークホイール+ドラムブレーキ採用のJA44。カブのボックスでは定番中の定番、ホムセン箱を愛用している。


ご存知イタリアのGIVIは1978年に設立された老舗のバイクケースメーカー。世界70か国以上で販売され、40年以上にわたってバイク用ケースで世界一の販売実績を記録している。機能性、デザイン性ともに高く、その分、お値段もお高めだ。

ラインナップは多彩だが、汎用ベースを用いて純正キャリアなどに装着しやすい「モノロック」シリーズと、車種別の専用フィッティングで取り付ける「モノキー」シリーズに大別できる。

筆者は試乗車でGIVIを使ったことはあったけど、自分の愛車に装着するのは初めて。そこで選んだのはベストセラーの「モノロックケース B32 BOLD」だ。汎用ベースで取り付けるスクエアタイプで、ストップランプなどがないシンプルな定番モデル。取扱元のデイトナによると、日本で一番売れているGIVI製のハードケースという。

↑「B32NBD モノロックケース <32L> グロッシーブラック(パネル)」。価格2万1450円。奥行433×幅405×高さ303(mm)。ケース内最大積載重量は3kg、重量はベース込みで3.2kg。パネルはブラックのほか、シルバーがあり、バックレストやネット&レール付きのタイプも選べる。

 

ベルト込み3200円程度で買えるホムセン箱に対し、約7倍も高額……。当たり前だけど、質感は比べ物にならないほど高い(笑)。実際の使い勝手にも期待がふくらむばかりである。

さらに、容量43Lのモノロックケース「E43NTL」もお借りした。ベースはB32BOLDと共通の汎用タイプなので、ベースを外さずにボックスだけ入れ替えることが可能だ。

明らかに容量が大きく、ヘルメットの形状によっては2個収納できる。普段使いや日帰りならB32BOLDもいいが、宿泊ツーリングをするならコチラがオススメ。各部の造りもこちらの方が豪華だ。

↑「E43NTL」価格2万6400円。写真はボタンが赤だが、黒い「未塗装ブラック」をお借りした。奥行455×幅546×高さ335(mm)。最大積載重量3kg、重量(ベース込み)4.2kg。

付属パーツで装着したらメッチャ後ろ寄りに!

商品の詳細とインプレは後編に譲り、まずは装着方法を解説したい。結論を言えば、少々苦労した・・・・・・のだけど、別売のパーツを使えばとてもカンタンだった。

まず付属の固定パーツを使って、ベースとキャリアを固定してみた。

↑こちらがB32NBD モノロックケースの付属品。汎用ベース+ベースカバー、キー×2、装着用金具、取扱説明書、保証書が同梱されている。

 

しかし、JA44に限らずスーパーカブのキャリアは構造が少し独特。一般的なリアキャリアは下部にすき間があるのに対し、カブ系はリアフェンダーとほぼ密着している。そこで、すき間を確保でき、付属の金具で固定できる箇所を探っていくと、ベースが後ろ寄りになってしまった。

↑付属の波形プレートとボルトを使ってベースとキャリアを固定した状態。

↑純正リアキャリアの裏側。固定用ボルトのマウントが中央にあり、車体とのすき間が確保できず、リア寄りにしかベースが装着できない。

↑キャリア裏側の形状や車体とのすき間を探っていくと、ベースの装着位置がこれぐらいリア寄りになってしまう。

↑ベースがリア寄りの状態でボックスを取り付けると、こんなカンジ!


うーん、極端に後ろ寄りだけど、使えないことはないかな。ただし重量物を載せてセンタースタンドをかけると、車体が軽いせいもあってグラついてしまう。それに見た目や走行バランスもあまりよろしくない。

カブ向けの専用パーツもアリ、これでベストな位置に

そこは国内正規代理店であるデイトナも承知のようで、同社オリジナルの「77639 スペシャルキャリア」(8580円)が用意されている。

ちなみにカタログでは「スーパーカブ110(JA10)と同50(AA04)、クロスカブ110(JA10)」のみが適合車種となっているが、デイトナに問い合わせてみると、愛車スーパーカブ110(JA44)にも適合しているとのこと。つまりキャリア形状が共通の現行110(JA59)と50(AA09)、クロスカブ110/50(JA45、JA60/AA06)にも装着できるのだ。

↑「77639 スペシャルキャリア」(8580円)。キャリア×2のほか、ボルトとワッシャー、取扱説明書が付属。


スペシャルキャリアを取り付けていこう。まずは純正リアキャリアのボルトを外す。内側のワッシャーは使用しないが、ナットは再度使用するので、保管しておく。

↑リアサスを固定している袋ナットをソケットレンチ(14mm)で外す。


次にリアキャリアをフレームに固定している12mmボルト×2を着脱する。

↑本体とリアキャリアをマウントしているボルト2本を外す。このボルトは使用しない。


続いてデイトナのスペシャルキャリアを純正キャリアの上から取り付ける。純正キャリアは外さなくてもOKだ。装着に関しては説明書のイラストを見れば一目瞭然(笑)。

↑説明書のイラストが非常にわかりやすい。これは助かる!

↑リアサスのマウントボルトにスペシャルキャリアの先端(切り欠き)を挿し込み、純正の袋ナットで共締め。締め付けトルクは29Nmだ。

↑純正キャリア固定用のボルト穴に、付属の黒い六角穴付ボルト(M8)を固定する。


これでスペシャルキャリアは固定完了。続いて汎用ベースを置いて、GIVIボックスに付属するスクエアワッシャーの取り付け位置を決める。標準位置のセンターから前後に3cm程度は調整可能。筆者の体格ではボックスに背中が当たるので後ろ寄りにしてみた。

↑スペシャルキャリア付属の黒いワッシャーと六角穴付ボルト(M6)でベースを固定。ついにベースがセンターに装着できた。最後にゴム製のベースカバーを取り付ける。

↑ボックスの装着は、前側のツメ×2をベースの穴に合わせて、リア側の穴に押し込めばロックされる。

ついにセンターへ装着、やっぱりコッチじゃないかな~

そんなこんなで作業完了! スペシャルキャリア+GIVIボックスを装着した愛車の勇姿をとくとご覧あれ!

↑B32BOLDを装着! 先程と違い、スペシャルキャリアを使えば走行バランスも見た目もバッチリ。乗車中は背中にも当たらず快適だった。

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