予約なしでも青森発函館行きのフェリーにすんなり乗ることができてしまったおかげで、思いのほか早く函館に上陸できることになった僕とトレーサー9 GT+Y-AMT。時刻表によれば到着時間は10時05分。まぁ、バイクによるフェリーの下船は大抵最後。多めに見積もっても10時30分には走り出せるだろう。図らずも自由な時間が作れてしまったというわけだが、「本日中に函館に上陸して泊まれれば御の字」……ぐらいのつもりでいたのでこの後の予定もなければ、例によって宿の予約もしていない。

とはいえまずは腹ごしらえ。ここは海の幸が豊富な北海道であり、幸運なことにスルメイカ漁の時期らしい。フェリーのチケットを手に入れた時点で朝飯は摂らず、“飯は上陸してから朝昼兼の海鮮物”と決めていた。とりあえず向かったのは函館名物・朝市だ。フェリー乗り場から函館駅前の函館朝市までバイクなら15分程度。ちなみにバイクの駐輪場はざっと探した限り周辺にはなかったので函館大手町朝市横駐車場に車と一緒に平置き駐車。精算は現金のみなので小銭を用意しておくといいだろう。

北海道といえばやっぱり海鮮物なのだ

築地の場外市場か、上野のアメ横のような雑多な雰囲気が楽しい函館朝市。

築地の場外市場か、上野のアメ横のような雑多な賑わいが楽しい函館朝市。

お店はたくさんあるものの、まずはシンボリックな駅二市場に突入! 

お店はたくさんあるものの、まずはシンボリックなタワーが目立つ駅二市場に突入!

 

函館市の公式観光サイトによれば、函館駅前に約250軒の店舗が軒をつらねる函館朝市。由来は戦後に自然発生した市場らしく、上野のアメ横と同じようになんともアジアらしい雑多な雰囲気が味わえる。

お目当ては6月から漁が解禁になり、ちょうど今が旬だというスルメイカ。なんでも生け簀で泳ぐいかを釣ったらそのまま捌いて食べられる“活いか釣堀”なんてものがあるらしく、その元祖が駅二市場なのだとか。

これが“活いか釣堀”。1000円(時価)で1杯のイカを釣って、それをその場で食べることができる。……のだが1時間待ちと聞いて、少年が釣り上げるところを見るだけでガマンすることにした。

これが“活いか釣堀”。1000円(時価)で1杯のイカを釣って、それをその場でさばいてもらって食べることができる……のだが、行列は現在1時間待ちと聞いて、少年が釣り上げるところを見るだけでガマンする。

シャケからカニからもう目移りするほどの海産物。しかも買ったものはその場で調理して食べられるのがいい。

カニ、シャケ、ホタテ。イカの他にも目移りするほどの海産物。しかも買ったものはその場で調理して食べることができるのがいい。

駅二市場を歩いていて見つけたのが市場の2階にある食堂。目当てのイカ刺し丼のほか、ホッケなども(写真のイカ刺し丼 ほっけで1200円)。コリコリとしたイカの食感がたまらない!!

駅二市場を歩いていて見つけたのが2階にある食堂。目当てのイカ刺し丼のほか、ホッケなども(写真のイカ刺し丼 ほっけで税抜き1200円)。コリコリとしたイカの食感がたまらない!!

“1階の市場で購入したものを持ち込んでOK”と聞いて殻付きウニ(1000円)を追加! 途中で思いついたもので絵面がちょっと汚いがイカとウニの他人丼が最高に美味かった!!

“1階の市場で購入したものを持ち込んでOK”と聞いて殻付きウニ(1000円)を急遽追加! 箸をつけたあとに思いついたもんで絵面がちょっと汚いがイカ刺しとウニをフュージョンした“他人丼”。濃厚なウニの甘味とイカの食感が最高に美味かった!!

満腹になったところで市場を散策。大型客船が入港しているからだろう外国人観光客で賑わう函館朝市。雑多な雰囲気の残る路地裏探索も面白い。

満腹になったところで市場を散策。海外からの大型客船が入港しているからだろう、多くの外国人観光客で賑わう函館朝市。雑多な雰囲気の残る路地裏探索も面白い。

 

さて何処へ走りに行こうか?

以前来た時は、雪と凍結に阻まれて走り回れなかった函館市街。坂道の勾配がキツかったり、駐輪場がなかったり、函館市街は歩いて散策したほうが動きやすい場所なのだが、今回はバイクで走り回ることにする。写真は旧ロシア領事館だが、函館らしい坂道のキツさがよくわかる。

以前来た時は、雪と凍結に阻まれてバイクでは自由に走り回れなかった函館市街。坂道の勾配がキツかったり、駐輪場がなかったり、本来函館市街は歩いて散策したほうが動きやすい場所なのだが、今回はトレーサー9 GT+Y-AMTと走り回る。写真は旧ロシア領事館だが、函館らしい坂道のキツさがよくわかる。なんでも函館で一番急な坂らしいのだがUターンにひと苦労。

 

さて午後から何処へ走ろうか? イカ刺しのコリコリとした食感を味わいながら思いついたのは、30年近く前、初めて北海道にきた時のお礼参りだ。20代の頃、3ヶ月ぐらいかけて北海道を走り回っていたことがあるのだが、旅の最後の最後、恵山を過ぎたあたりでバイクがエンコ。ロードサービスでレッドバロン函館のお世話になりながら、ほうほうのていで辿りついたのがこの函館市街だった。しかも、冬型の気圧配置に連日フェリーが欠航。そのまま1週間近く函館のライダーハウスで足止めをくらったのだ……。

懐かしくなって調べてみると、当時お世話になった「ライムライト函館」というライダーハウスは今なお営業しているもよう。インターネットに転がっていた建物の画像は、記憶にある建物とはちょっと違う気もするが、「バイク乗りなんですが、本日1名泊まれますか?」と電話してみればすんなり予約OK。「利用は初めてですか?」の問いに、「実は30年くらい前に同じ名前の宿に泊まったことがあるのですが、同じライムライトさんですか?」と聞いてみれば、「場所は変わってますが、そのライムライトです」とのこと。

意外なほどスムーズな北海道上陸といい、昔お世話になったライダーハウスの存続といい。これはどうやら旅の神様に“30年前のツーリングの続きしろ”と言われているよう。少なくとも今日これからの僕の行き先が決まった。

沖合いを今朝お世話になった「津軽海峡フェリー」が行く。なんだか妙に手際良く北海道に上陸できたおかげで、こうやって函館散策ができている。しかし、函館山の裏にこんな海沿いのダートがあるとは知らなんだ。

函館湾を今朝がたお世話になった「津軽海峡フェリー」が行く。多分僕が乗った便の次の船だろう。なんだか妙に手際良く北海道に上陸できたおかげで、こうやって函館散策が楽しめていることに感謝。しかし、函館山の裏にこんな海沿いのダートがあるとは知らなんだ。正面の陸地は本州の津軽半島ではなく松前半島。

 

 

 

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その① 青森ー函館間のフェリーは行き当たりばったりで乗れんのか?
その② 海鮮物が揃う函館朝市で旬のスルメイカを堪能!

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