昭和の香りを残すスポットをスーパーカブ110(AJ44)で気の向くままに巡る『昭和レトロ紀行』。埼玉県東松山を周遊する今シリーズもいよいよ終盤。味わい深いスーパーマーケットで弁当を購入して、向かったのは財宝が眠る不思議な山!? さてどうなる?

これまでの記事はコチラ
【昭和レトロ紀行】庶民的な町の食堂なのに上品、「霞が関」でフワプリな絶品中華を味わう!【埼玉 東松山編 ①】
漢方コーラと醤油ソフトで昇天! 五千頭の龍vs江戸時代から続く醤油工場? 【昭和レトロ紀行 埼玉 東松山編 ②】
“ギャンブルカラオケ”を聞きながら給食ソフト麵でトリップ! そして心霊旅館(?)へ【昭和レトロ紀行 埼玉 東松山編③】
トイレの視線と「斜め風呂」の恐怖、出たのかい、出ないのかい! 心霊旅館(?)の夜は更けて……【昭和レトロ紀行 埼玉 東松山編 ④】
実は色々とヤヤコシイ!? 有名スポット「吉見百穴」へゴー! 【昭和レトロ紀行 埼玉 東松山編 ⑤】

昼飯前に「松山城跡」へ、シッカリ歩くのでアッサリ断念

吉見百穴を後にしたが、まだ11時前。昼飯前にどこか寄ってみようと、向かったのが近くにある「松山城跡」だ。戦国時代に争奪戦が繰り広げられ、上杉謙信が奪取したことも。その後、慶長6年(1601年)に廃城となっている。

吉見百穴から近くの山のはずが、入口がわからず30分ほどカブでウロウロ。こんな時、カブはあまり怪しまれないのが利点だと思う(笑)。小高い住宅街の一角に、ようやく入口を発見した。

 

↑ここが入口。クルマ3台程度停められそうなスペースが。まったく人気がなく、静まり返っている。

↑コチラが全体図。なかなか壮大だ!

 

細い山道を歩いていく。たまに堀跡らしき段差や、「曲輪」などと書かれたプレートがあるけど、フツーの山と代り映えがしない。

↑うーむ、一見ただの「山」。

↑表示がなければ、ただの「山」。

 

このまま登っていくのも体力的にキビシイのであっさり断念。つい先ほど吉見百穴を上り下りして体力を使い果たしていたのだ(笑)。

↑かなり山の奥に分け入る必要がありそうなのでソッコーで引き返す(笑)。

閉店間際? 不思議なスーパーで高田文夫センセイ似の店員が!

次に向かったのがスーパー「安野ストアー」だ。チェーン店ではない、インディペンデント系の何やら昭和の香りを残すスーパーらしい。ここで弁当を買って、景色のいいところで昼飯をいただく腹づもりだ。

松山城跡を探している時から思っていたのだが、東松山市はとにかく静かだ。平日なのもあるのだろうが、交通量が少なく、人の気配も乏しい。加えて空が晴れ渡り、11月も下旬だというのに寒くも暑くもない。こんな陽気の中、スーパーカブの柔らかい加速フィールを味わいながら、静かな見知らぬ街を流していく。すると何とも言えない多幸感が込み上げてくる。こんな気分になれるだけでツーリングした甲斐があるというものだ。

……などと考えているうちに、安野ストアーに到着。JR東松山駅から1km程度の距離で、吉見百穴からは10分もかからない。

↑「安野ストアー」。何とも味わいのある外観。ストアではなく「ストアー」なのもミソだ。■埼玉県東松山市若松町2丁目11-30 営業時間9~19:30 定休日なし

 

店内は意外と奥に広い。ただ、なんだろう、商品が少ない。そして、ちょっと暗い。

↑店内は蛍光灯が外されている部分があり、暗め。

 

店内を回ってみると、ガラ空きの棚も目立つ。

↑にんじん、たまねぎ、じゃがいもはちゃんとある。

↑「秋穫祭」のポップが哀しい野菜コーナー。値札はあるので売り切れたのか?

↑空いた陳列スペースに観賞用の植物が並べられておる!? もちろん売り物ではない。

↑このコーナーは何もない。閉店が近いのか、と心配になってくる。

↑弁当コーナーもちょっとサミシイが、弁当の手作り感がイイ。「つゆ付うどん」は麺とつゆがトレーに直接ブチ込まれていて豪快! 煮物などの総菜もあった。

 

唐揚げが1個付属した「サケ弁当」(価格表記が税込439.81円と細かい)と「カツ丼」(同518.40円)、「焼肉丼」(同518.40円)と迷う。さらに100円引きのカツ丼も発見! 心の中で値引きカツ丼と焼肉丼が最終コーナーを争ったが、焼肉丼が勝利! ということでレジでお会計。

なんと電子マネーが使えるではないか(笑)。他に客もいなかったので、レジにいた高田文夫センセイ似の店員に話しかけてみた。

「こちらはかなり以前から営業されているんですか?」

「そうだな、40年ぐらいじゃない。この辺の方じゃないの?」

ギョロ目の風貌をはじめ、声、江戸っ子っぽいイキのよさは、まさに高田文夫センセイだ。川口市からツーリングして東松山を色々周っていると説明すると「へーいいな、そうですか、やってみたいな」と高田センセイ。

「結構、棚に空きが多いですけど、何か理由があるんですか」と訊いてみた。

「ちょうど入れ替え時期なのと、売り場がちょっと広いので。昔は色々置いてたけど、今は総菜関係とか配達が主流だから。昔は魚とかかなりやってたんだけどね」

「店長さんなんですか?」

「いえ、違います。あちらにいるんで話してみますか?」

なんともノリがいい!

創業は昭和40年頃! 大型店に負けじと気を吐く!

バックヤードに二人で突撃。店長さんも驚いている。高田センセイは私を紹介すると仕事に戻っていった。

店長さんは50~60代だろうか。またしても、創業して何年なのか訊いてみると「自分は2代目で、もう60年ぐらいになるのかな」と店長。高田センセイと話が違う(笑)。となると、昭和40年頃の創業で、お父様が先代だったという。

「前の土地は魚屋さんみたいな感じで。景気が良くて、みんないい時代だったんですよ。今、大変なんだけど(笑)。で、徐々にこう広げてって、こういう感じになったんです」

「なかなかこういった昔ながらのスーパーは珍しいですよね」

「もう仲間っていうか。松山には何軒ぐらいだろう。個人経営のスーパーが30~40軒ぐらいあったのかな。で、昔は大店法があって、なかなか出店ができなかったんですよ。でも今は緩和されて、もう好き放題(笑)」

大型のショッピングセンターが進出してきて大変なのだろうが、店長さんは実に明るい。お店のウリは、やはり自家製のお弁当や惣菜で、カツなどの一部を除いて店長さんがここで自ら作っているとのことだ。

お忙しそうなので、お礼を言って辞去した。もちろん高田センセイにもお礼を言って、店を出た。

突然の訪問ながら丁寧に対応してくださって、実にありがたい。商売も昔ながらなら、人も昔ながらにあたたかい。経営は大変かもしれないし、いつ閉店するかドキドキものだが(笑)、もし近くにあったら通ってしまいそうだ。

―――ちなみに、これを書いている最中、安野ストアーが所属している若松商店会のWebサイトを見つけた。これまたなかなか味わい深い(まだ閉店していない模様である)。

↑「若松町商店会ヒーローズ」では、ヒーローに見立てて各店を紹介している。安野ストアーがどんなヒーローかと言うと「影のフルマラソン世界記録保持者(自称)。ご注文の品をあなたのお家まで迅速に届けます。主婦の味方だが、男性のご注文も承ります。」とのこと! https://wakamatsusa.com/%e3%83%92%e3%83%bc%e3%83%ad%e3%83%bc%e3%81%9f%e3%81%a1-%ce%b2/

財宝が今も眠り、神霊がいる? ちゃんと音がする「ポンポン山」

地図で景色のいい所を探したところ「ポンポン山」という名前に惹かれた。公園になっており、景色もよさそうなので、さっそく向かってみた。

安野ストアーから15分ほどで到着。ぜんぶ近い(笑)。

↑この高負彦根神社の奥がポンポン山。右手に公園がある。四輪駐車場は2か所あり、徒歩2~3分の距離。■埼玉県比企郡吉見町田甲1945 https://www.town.yoshimi.saitama.jp/soshiki/chiikishinkoka/1/610.html

 

岩山の中腹で足を踏み鳴らすと、ポンポンといい音がすることから、この名がついた。言い伝えによると、その昔、ある長者が財宝の隠し場所を捜していた。ある日、高負彦根神社にお伺いをたてたら、神のお告げが!

「この岩山に埋めろ。私が守ってやろう」

そこで長者は安心して、財宝をこの山に埋めた。それからしばらくして、長者の隠した財宝を盗もうと盗人が! すると突然、山がポンポンと山鳴りを起こしたので、盗人は恐れおののき、山を下りた。それ以降、誰も財宝を盗み出そうとはしなかった……。

なお、財宝は永い間、安全に埋まっていたけど、「あまりにも古い話なので、その後の財宝の行方は、近在の人たちの間でも知る者はいなくなった」とのこと(なんじゃそりゃ!)。だが、今でも山に神霊がいると言われている。

境内裏の岩山はさほど急ではなく、すぐ登れた。鳥が大量におり、鳴き声がすごい。

↑あちこち踏みしめてみると、確かにポンポンと音が! 内部に空洞があるカンジだ。今でも掘れば財宝が出てくるのだろうか。

↑岩山の頂上からは遠くまで絶景が広がっている。

焼肉丼は絶妙! まだもう1か所寄りたいスポットが!

ポンポン山を下りて公園へ。さぁお待ちかねの焼肉丼だ。

↑安野ストアー謹製「焼肉丼」。しば漬けがいいアクセントになっている。

 

焼肉の味付けはタレではなく、生姜焼きだった。甘すぎず、しょっぱすぎず、ちょうどいい塩梅で、ご飯もしっかり詰まっていてボリュームがある。そして、ご飯にはまだほんのり温みが! 

↑美味いッスよ、店長さん、高田センセイ(笑)。しっかりお腹いっぱいに。

 

相変わらず鳥の鳴き声がポンポン山から聞こえているが、とても静かだ。神霊がいる山の隣で鳥の声をバックに、いい景色を眺めながら、焼肉丼を食べる。いいツーリングだったなぁ、さて帰ろうか。これにて終了……とはならず、帰り道に寄りたい施設があるのだ。

【以下次回! 本当にもうちっとだけ続くんじゃぞい】

SHARE IT!

この記事の執筆者

この記事に関連する記事