WRITING ARTICLE
小川 恭範の執筆記事一覧
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コラム&エッセイ
TDM850/900という出木杉クン【中編】~欧州熱狂、日本沈静……。くっきり明暗が分かれた原因は日本二輪市場の特殊な事情が背景に……!?~
「18歳になったら教習所へ大型自動二輪免許を取りに行って~、すぐビッグバイクに乗りたいんだ! ワイルドな(ホンダ)レブル1100かなぁ、(ヤマハ)FJR1300A/ASもまだ売ってるよね? (スズキ)GSX-S1000はカッコいいし~、レトロな(カワサキ)Z900RSもアリかな!」と筆者の脳内でイマジナリーJK娘が楽しそうに相談してくるのですが、こんな状況、つい40数年前は考えられないコトだったの…
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コラム&エッセイ
TDM850/900という出木杉クン【前編】~欧州では「キング・オブ・ザ・ワインディングロード」とも称された独創性だらけの多芸多才ツイン!~
いやはや「峠道の王様」ですよ、“♬湖~上~のけむ~り~”ですよ(それは歌手の「王様」)、“おかしのホームラン王”ですよ(それは「ナボナ」で往年のCMキャラクターは王(貞治)様)……と思わず茶化すノリツッコミをしたくなるほどヨーロッパでは褒めちぎられたヤマハのTDM(Touring Dual purpose&Multi-purposeとの説あり)850/900シリーズ。その出来過ぎなモデルライフを振…
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バイクを売る
【油冷夫婦☆爆誕レポ】その6・妻が体調不良になりまして……。なんと!「ジクサー250」とサヨウナラ!? 油冷夫婦は解消してしまうのか?~
昔打った篠塚、いや昔取った杵柄で原付二種のバイクやスクーターを通勤用にサクサクと運転してきた愛しの我が妻。大型自動二輪免許でさえ20年以上前に取得済みながら、高速道路を利用できる車両には縁がない……そんな事態が急展開! 2年前(2022年)の春に突然スズキ「ジクサー250」を手に入れました。駄菓子菓子、走行距離は全く伸びないまま月日は流れ「もう売っちゃわない?」ということに!? …
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コラム&エッセイ
ST250という美味しいゴハン【後編】~クォーター(分かる?)不遇の時代を“ほくほく”と乗り越えて堂々10年以上のロングセラーモデルへ!~
「クォーター(quarter)」とは4分の1を意味する言葉で、1ℓ(1000㏄)の4分の1=250㏄ということから、1980年代初頭のバイク雑誌は「VT250F」や「RZ250」や「GSX250E」や「GPz250」などのことを「スーパークォーター」なんて呼んでいた時期もあったのですよ(「レーサーレプリカ」はその後……)。いつの世も人気の高いこのクラス。しかし、壊滅状態だった時期も存在してたりして…
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コラム&エッセイ
ST250という美味しいゴハン【中編】~スペック至上主義ヤロウ激怒!? まさかの4バルブ→2バルブ化で、その味わいは“大吟醸”クラスへ……!~
1982年に登場したジャメリカン「GN250E」をベースに低価格&カワイイ路線だけでなく高い実用性まで盛り込んで大ヒットした「ボルティー」(1994年~2004年)。その正統後継車となる「ST250」は、先達から受け継がれてきた249㏄空冷4スト単気筒OHC4バルブエンジンを搭載していま……せんでした! なんと吸排気バルブの数まで酒米のごとく“磨いて(削って)”きたのです!! その驚きの内容とは!…
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コラム&エッセイ
ST250という美味しいゴハン【前編】~炊きたての白米のように美味しく飽きず、噛めば噛むだけ滋味があふれるスタンダードな250シングル!~
「♪ショ~シュ~リキィ~ッ!」とT.M.Revolution 西川貴教さんの伸びやかボイスも印象的なCMを放映してきた「グローバル・ニッチ・No.1」を目指す“空気ビジネス”の会社と言えば……? ハイそうです、エステー株式会社(英文社名:S.T.CORPORATION)さんですね。片やバイクの「(スズキ) ST」もニッチな市場を狙っていた……はずが想定以上のヒット作となり、ギョーカイの空気を変えて…
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コラム&エッセイ
VFR800XというハイメカV4の双生児~ 実はホンダ・クロスオーバー路線の嚆矢だったミドルアドベンチャー!? その他ビッグV4モデルも総ざらい! ~
「そうさぁ~今こそ、アドベンチャァ~ッ!」と全世界のバイクメーカー(ハーレーダビッドソンまで!)が、そっち系モデルへ大きく軸足を置きはじめた昨今。我らがホンダを振り返ってみれば、あの“クチバシ”を持つ定番スタイルを採用して一躍大ヒットした「NC700X」が思い浮かびますね。ところがところがホンダのいわゆる“クロスオーバーコンセプト”の第一弾は「VFR(800)」ベースのアイツだったのです! …
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コラム&エッセイ
VFR800FというハイメカV4の貴公子【後編】~ アップデートされ約6年ぶりに復活したミドルV4は最終走者として堂々のフィニッシュ! ~
「いいとも~!」と約32年間の長きにわたって世界へ友達の輪を広げてきた「笑っていいとも!」が惜しまれつつ歴史に幕を下ろした2014年3月末日。その数週間後となる同年4月18日にまさかの大復活を遂げたミドルV4マシンが「VFR800F」でした。先代まで培われてきた優れた資質を受け継ぎつつ、変えるべき部分は変えて“エレガント・スポーツ”を標榜する大人のツアラーへ……。その足跡をたどりましょう! …
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コラム&エッセイ
VFR800FというハイメカV4の貴公子【中編】~ 排気量表記が消えた“世紀末”の「VFR」は厳しい排ガス規制をクリアして堂々の降臨!~
“ノストラダムスの大予言”は1年後、果たして的中するのかしないのか……筆者が内心ドキドキしながらモーターサイクリスト編集部で働いていた1998年4の月、卓越した排ガス浄化性能をウリにしたホンダV4モデル「VFR(RC46)」がひっそり静か~に登場いたしました。公式リリースによれば国内へ向けた年間販売計画台数は500台。しかしながら、白バイ隊員も認めた自由自在な扱いやすさは極上中の極上だったのです!…
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コラム&エッセイ
VFR800FというハイメカV4の貴公子【前編】~ サーキットで生まれた遺伝子を色濃く残し、ホンダV4スポーツの殿(しんがり)を務めた!~
♬「V(ブイ)! V! V! ビクトリィ~~ッ!」と水木一郎アニキたちが熱唱する「コン・バトラーV」のオープニングテーマが今も脳内に深く刻み込まれている筆者。そう、“V”とはVictory(勝利、優勝、克服、征服)の頭文字。ホンダV4エンジンもレースで勝利をもたらすために生まれ、実際に数多くのビクトリーを得てきたのです。そのテクノロジーを全集中して生まれた市販車もまた“勝ち組”でした! &n…
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コラム&エッセイ
VFR1200FというV4最高到達点【後編】~ 時代の荒波に消えていった“Force V4”……。再びホンダがブイブイ言わせる日は来るのか!? ~
はやぶさ(1号)が大気圏突入で千の風になった2010年、ホンダが持てる最新技術を全投入して開発し、鳴り物入りで登場させた「VFR1200F/Dual Clutch Transmission」……だったのですが、その航海は比較的静かなものとなりました。テコ入れは矢継ぎ早に行なわれ、基本構造を同じくする“クロスオーバーコンセプト”の姉妹車も登場したものの……。V4グランツーリスモの明日はどっちだ!? …
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コラム&エッセイ
VFR1200FというV4最高到達点【中編】~ 二輪車用で世界初! 有段式自動変速機付き「VFR1200F Dual Clutch Transmission」衝撃的に登場 ~
「うおっ、クラッチレバーとチェンジペダルが……ないっ!」。いやいやいや本当の話、初めて“DCT”搭載車両へ接したときはビックリ仰天、相当なインパクトを受けました。「こんなんでマトモに走るんかいな?」とドキドキしながら、ギヤを“スイッチ”(!)で入れたあと、スロットルをひねっていくと……驚き、桃の木、山椒の木! ブリキにタヌキに洗濯機!! やって来た来た新時代!!!ってなモンですよ(^0^) …
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コラム&エッセイ
VFR1200FというV4最高到達点【前編】~1236㏄! 完全新設計されたホンダV4の最大排気量エンジンは“ハイテク”の塊だった ~
♬「今は、もう、作らない、ホンダ〜V4~」(←大きな古時計のメロディで、歌声はもちろん平井 堅さんで)。頬をつたう心の汗とともに始まりました、排気量1.2ℓ超えのホンダV型4気筒パワーユニット搭載車に関する“あれやこれやコラム”。V4 と言えば二輪界の特級伝説である1979年の「NR500」から語り出したいところですが、グッとこらえてラグジュアリーなV4フラッグシップモデルについて再検証してまいり…
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コラム&エッセイ
XR100モタードという小さな巨人【後編】~街中で使えばチョー快速! ミニバイクレースだって楽しめる12インチ小排気量スポーツ!~
小さい、軽い、カッコイイ!なホンダ「XR100モタード」。しかし、同様のメリットを兼ね備えるモデルはホンダからのみならず、ライバルメーカーからも数多く生まれてきました。ビギナーには様々なことが学べるファーストバイクとして、ベテランならセルフでメンテやカスタムも楽勝だしコースでバトルしますか~的なサブマシ(ー)ンにもなる魅惑の“(主に12インチ)原付二種スポーツ”について語りおろし魔性! &n…
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コラム&エッセイ
XR100モタードという小さな巨人【中編】~バイクライフの入り口として最適だったホンダ原付一種/二種マニュアルスポーツ☆グラフィティ~
すみません! 今回のネタは完全に筆者の趣味全開400%な内容であることを、最初に申し上げておきます。とある片田舎の中学生がバイクに目覚めていくなかで、重要な役割を果たしてくれた(主に)ホンダのマニュアルミッション原付一種&二種モデルについてモロモロ語らせていただければと……。もちろん、令和5年の“なう”につながる内容になることも心掛けてまいりますので、何卒ナニトゾ。では、開幕ッ!  …
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コラム&エッセイ
XR100モタードという小さな巨人【前編】~あの「エイプ」をベースとしつつ、スタイリッシュなデザインをまとった原付二種マニュアルスポーツ!~
今を去ること18年前、2005年に原付一種(49㏄)版と原付二種(99㏄)版とが同時に発売されたホンダ「XR○○モタード」シリーズ。それらのベースとなったのは、排気量や縦型エンジンからしてホンダ「エイプ」&「エイプ100」であることは一目瞭然でありました。とはいえ、足まわりには「NSR50/80」の魂が注入されており……!? そんな小粋で小しゃくで小生意気(?)なプチモタードについて語ってまいりま…
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コラム&エッセイ
DR-Z400SMというバケモノ【後編】~冷め切った時代に抗いつつも吐息を浄化しきれず討伐されたモンスター。失って人は初めてその価値を知る!~
と、いうわけで2004年12月、転倒?と勘違いするほどバンクした車体が逆ハンでコーナーを駆け抜ける……。そんなド派手なビジュアルの広告戦略とともに颯爽と国内デビューしたスズキ「DR-Z400SM」! 「ウッヒョ~ッ、カッコええ~っ!」と多くのライダーが即座に反応し、あれよあれよと超絶ハイパーウルトラ大ヒットモデルに……なっていたらよかったのですけれど、現実はNot so sweeeeeeeeeee…
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コラム&エッセイ
DR-Z400SMというバケモノ【中編】~「究極のDR」こと“DR-Z”登場までの熱き道のりをフラッシュバック! 超有名なアイツも出てきますよ(^0^) ~
スズキの4ストローク版デュアルパーパスモデルと言えば、“DR”! ……なのですが、この輝かしいブランドが日本で終了……いや一時休止(と信じたい)してから10数年という月日が流れてしまいました。というわけで、空前のバイクブーム華やかりし1982年に生まれた、始祖である「DR250S」から、「DR-Z400S/SM」に至るまでの道のりをザザザッと振り返ってまいりましょう~!! &…
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コラム&エッセイ
DR-Z400SMというバケモノ【前編】~40馬力の398㏄水冷ツインカムシングルをSugoi Majimeなボディへ搭載! 空前絶後の突然変異マシン~
いやぁ、スズキの400スーパーモタード……。知るほどに、調べるほどに「なんでこんな異次元の車両が突然生まれ、流星のように消えていったのか?」と不思議な気持ちになります。ではさっそく、浜松の(とてもいい意味で)大変な変態メーカーが生み出した珠玉のマシンについて語りおろしてまいりましょう! VRXロードスターというレアな名車【後編】はコチラ! ま…
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コラム&エッセイ
VRXロードスターというレアな名車【後編】~クルーザー、アドベンチャーから夢のバイクまで!? 知れば知るほど奥深いホンダの狭角Vツイン!~
ホンダ「VRX ロードスター」が搭載していたのは「スティード400」譲りの狭角Vツイン。まぁこれが非常にタフなパワーユニットでございまして、たとえ無知なユーザーが珍妙なカスタムをうっかり施しても、それが原因でエンジン本体が壊れたという話を筆者は聞いたことがございません。これは偉大なご先祖様が行った激しい研鑽の賜物だったのでしょう! VRX ロードスターというレアな名車【前編】…
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コラム&エッセイ
VRXロードスターというレアな名車【前編】~ホンダのチャレンジ魂が山ほど詰まったシリンダー挟角52度の400㏄Vツインエンジン烈伝!~
今や「VRXって知ってる?」と尋ねれば「ブリヂストン製スタッドレスタイヤ、ブリザックのブランド名だよね!」と返される世の中になってしまいました(涙)。 しかし忘れないでください。珠玉のV型2気筒パワーユニットをロードスポーツタイプの車体に積んだ、非常にイケてるモデルがホンダから発売されていたのです!! CB1100という夢の結晶【後編その2】へはコチラ! …
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コラム&エッセイ
CB1100という夢の結晶【後編その2】~スレンダーからグラマラス、そしてスポーティな肢体も登場。空冷CBは見事なる完走へ!~
「シービーセンヒャク」と耳にしても知識がなまじあればあるだけ、どのモデルのことを言っているのかサッパリ分からない……。排気量不変のネイキッド1本でここまでバラエティに富んだ展開をした車種というのは珍しいんです。【後編その1】と一緒に読んで(←開き直り)勉強していただき、アナタもワケ分からなくなっちゃってください!? CB1100という夢の結晶【後編その1】はコチラ! &nb…
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コラム&エッセイ
CB1100という夢の結晶【後編その1】~止まらぬモディファイと幅広い趣味趣向への対応。大排気量空冷スポーツは進み続けた!~
幼虫時代に長い期間を地中で過ごすセミのごとく、10年以上の(先行)開発期間を耐え抜いてバッと世の中に出た「CB1100」。待望久しかったネオ空冷四発はセミのように儚く姿を消すことはなく、大排気量ビッグバイクジャンルに確固とした地位を獲得。歩みを止めぬまま世に放たれた数多くのバリエーションはどれも高い人気を集めたのです! CB1100という夢の結晶【中編】はコチラ! &nbs…
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コラム&エッセイ
CB1100という夢の結晶【中編】~空冷エンジン最大の敵、“熱”。どうしても発生する厄介な副産物をいかに制御したのか!?~
ガソリンと大気とを適切な比率でミックスした混合気をシリンダー内部で急速に燃焼させることでパワーを得ている内燃機関。実に2000℃にも達するという燃焼温度を適切に制御&冷却するには、そりゃあ水冷システムがベストだというのは分かります。そこをあえての“空冷”で攻めてきたホンダ開発者の秘策とは……!? CB1100という夢の結晶【前編】はコチラ! 発熱の制御は内燃機関にとって永遠…