WRITING ARTICLE
市本 行平の執筆記事一覧
-
車両情報
R1200RTは極楽長距離ツアラー「RT」の第三世代、完成度が高い
カウルの恩恵を速さではなく快適性に振ったRT BMWのR1200RTは、2005年にデビューしたオンロードタイプの長距離ツアラー。頭のRの記号が示すとおりボクサーツインエンジンを搭載したモデルで、1200はエンジンのおおよその排気量、RTは車両のタイプを表している。ちなみにRT=Reise Tourerの略で英語ではTravel Tourer、つまり“長旅”ツアラーという意味になる。 RTの歴…
-
車両情報
F650GSでも中身は800cc! 現行ミドルGSの原点となった超万能モデル
F650GSには単気筒と2気筒が存在する BMWのGSは、ゲレンデ・シュポルト=オフロードスポーツを意味するシリーズ名で、現在のラインナップはビッグ=1250(1254cc)、ミドル=800/850(853cc)、スモール=310(312cc)の3つの排気量帯で構成されている。今回紹介するF650GSは、ミドルの立役者として重要な役割を果たしたモデルだ。 実はF650GSは同じ名前で2種類存在…
-
車両情報
749は完成されたメカニズムに究極のデザインが与えられた異端児
偉大な916系を超えるためにスタイルに新しい方向性を提案 ドゥカティの代表作と言えばスーパーバイクの916。これに異存があるライダーはほとんどいないだろう。鬼才、マッシモ・タンブリーニ氏の作品であり、1990年代のスーパーバイク世界選手権(SBK)での目覚ましい活躍、そして何よりもそのデザイン性の高さにおいても、バイク史の殿堂入り間違いなしのモデルだ。 1994年に登場した916(916cc)…
-
車両情報
XMAXはまるでTMAXに乗っている感覚! それでいて使い勝手にも優れた一台
10年ぶりに登場したビッグスクーターはスポーツ路線に変化していた 2000年代前半に一世を風靡したヤマハの250ccビッグスクーターは、2007年型のマジェスティを最後に新作が途絶えた時期があった。その間に軽二輪(126~250cc)で定着したのがPCX150やマジェスティSなど150cc前後の排気量帯。「もうビグスクは過去のもの」という状況になりかけた2018年に、待ったをかけたのがXMAXだ…
-
車両情報
新型スーパーカブ110とクロスカブ110が、ディスクブレーキとキャストホイールを採用!
大阪モーターサイクルショーで新型カブ110が市販予定車として出品された 3月19日に開幕した大阪モーターサイクルショーに新型スーパーカブ110とクロスカブ110が出品され、国内スタンダードカブシリーズでは初となるディスクブレーキにキャストホイールを採用した姿がお披露目された。正式発表は月末頃になる見込みだが、一足早くその全容を解説したい。 まず、目を引くのが新型クロスカブ110のカラーリング。…
-
ツーリング
関東朝めしツーリング【江の島 とびっちょの生しらす丼】超クリーミーな味と食感
またもや子供まかせのショートトリップで江の島へ 前回の記事で相模原市にオギノパンのあげぱんを食べに行ったのは、6月のことだった。それから半年近く経ち、またもや子供(19歳女)と朝めしツーリングに出かけることにした。前回と同じように行き先は子供まかせで、「江の島にしらす丼を食べに行こう!」 という事になった。 話は逸れるが、娘は早くも若葉マークを卒業。それなりに乗れてきていたが、実は8月にやらか…
-
車両情報
マジェスティSはヤマハ国内初の150スクーターにして最後のマジェスティ
PCXが開拓した一台で何でもこなせる150スクーターにヤマハも参入 ホンダが2010年に発売したPCXは、2006年に駐車違反の取締が強化されて下火になっていたスクーター市場で久しぶりのヒットモデルになった。この勢いに乗りホンダは2012年にPCX150を発売、これが想定外の好セールスを記録。「それではウチも」とヤマハは台湾モデルのSMAXをマジェスティSという名にして2013年に国内投入したの…
-
車両情報
モンスター796は空冷第二世代の主力機、今でも通用する格好良さと楽しさがある
欧州のネイキッドバイクと言えば原型はモンスターにある ドゥカティを代表するモデルの一つとなったモンスターは、1993年に900がデビューすることでその歴史をスタートさせた。日本でもそうだが、1990年代はフルカウルからネイキッドの時代に移行した頃で、国内では1989年に登場したゼファーの大ヒットがきっかけとなった。 欧州と日本で少し異なるのは、日本のネイキッドは懐古調だったのに対し、モンスター…
-
車両情報
シグナスグリファスは新「通勤快速」キングを襲名! VVA炸裂でワンクラス上の速さに
シグナスXからエンジン、シャーシなど全てを見直すフルモデルチェンジ 2021年末に発売されたシグナスグリファス(CYGNUS GRYPHUS=コンドル)は、シグナスXの後継機として発売された原付二種のスポーツスクーター。エンジンはシリーズ初の水冷エンジンを搭載し、低速から高速まで全域で優れたトルク特性を発揮するVVA(Variable Valve Actuation=可変バルブ)を採用している。…
-
車両情報
F800STはパラツイン「F」の祖! ボクサーツインのフィーリングに似ているのがBMWらしい
一般的な並列2気筒エンジンを採用するも隠しきれない拘り 1923年からバイクを生産するBMWは、ボクサーツインに始まり並列4気筒など様々なエンジン型式のモデルを世に送り出しており、2006年にはパラツイン=並列2気筒エンジンのF800ST/F800Sをリリースしている。BMW単気筒モデルにも使われていた記号「F」に、並列2気筒のイメージが定着したのはこの2台の登場がきっかけとなる。 BMWは、…
-
車両情報
アクシスZはヤマハのベストセラー! ほとんどリード125の内容で約7万円も安い
2021年は8800台のセールスを記録した人気の秘密はどこにある? ヤマハのアクシスZは2017年にデビューした原二スクーター。あまりクローズアップされることはないが、筆者の中でその存在が気になりだしたのは最近で、販売台数が好調なこと。このジャンルでロングセラーを誇るホンダのリード125よりも売れており、その理由を知りたくなったのだ。 二輪車新聞の推定によるとリード125は2020年に6000…
-
車両情報
R1200GSアドベンチャー!「GS」ブランドを確立したR1200GSの上級モデル
R1200GS第一世代は大ベストセラーとなり、BMWのトップブランドに急伸 GSと言えばアドベンチャーツーリングモデルのトップブランドというイメージが定着している。これは、2004年にR1200GSがデビューしたことで不動のものになった。1200以前のGSは、コアなファンに愛好されていたブランドだったが、1200以降はボクサーツインエンジンを搭載するRシリーズにおいてもフラッグシップになったのだ…
-
車両情報
トリシティ125は実はツウ向けだった⁉︎ フロントの接地感は特筆もの
「めざせ、ころばないバイク。」の実現を3輪で追求した 2014年、フロント2輪の意欲的なパッケージでデビューしたトリシティ125は「めざせ、ころばないバイク。」という強力なキャッチフレーズで大キャンペーンが実施された。AKB48を全盛期で卒業したばかりの大島優子さんをCMに起用し、新時代を切り拓こうというヤマハの意志が満ち溢れたモデルだ。 当時は現在のようなバイクブームではなく、どのメーカーも…
-
車両情報
シグナスXは台湾風味! スクーター激戦区で鍛えられた元気な走りがすごい
アドレスV125を過去のものとした通勤快速キング シグナス125SVの後継機として2003年に発売されたシグナスXは、前後12インチのホイールを採用した通勤快速スクーター。シグナス125SVは10インチだったが、サイズアップとともに走行性能が向上し、通勤快速の代名詞として君臨していたスズキのアドレスV125を過去のものとした名車としても知られている。 このシグナスXも、2021年末に新たに水冷…
-
車両情報
ST250Eは地味バイク? SR400よりも手軽なスタンダードシングル
ST250のエンジンは最も成功した250cc空冷単気筒 ひとつのエンジンで多数のモデルを開発するのはよく見られる手法で、代表格はハーレーダビッドソンだろう。全盛期は伝統の空冷Vツインユニットで毎年何十ものモデルをラインナップしていた。さすがに近年はハーレーでもモデル数を絞ったり新エンジンを開発したりしているが、基本は今でも同じだ。 ここで紹介するスズキST250Eも同じエンジンの兄弟が多数存在…
-
コラム&エッセイ
80年代バイクブーム狂想曲【ハイティーン・ブギ、ふたり鷹、キラーBOY、ホットロード…私はマンガでバイクを楽しんでいた】
マッチとCBX400Fは1980年代を代表するカリスマ 1980年代といえばバイクの黄金期だが、私は8~17歳の時期でほとんど免許年齢を満たしていない。「80年代バイクブーム狂想曲」というテーマで書くことは無理かな、と思いを巡らせていると意外にたくさんバイクの記憶が出てきて懐かしさに浸れた。私はマンガでバイクを楽しんでいた。 最初に触れたのは『ハイティーン・ブギ』(小学館)。いとこのお姉さんの…
-
車両情報
CT125ハンターカブはカブ界のランドクルーザー!? ビジバイから脱皮した究極の遊び仕様
ハンターカブはいかにして復活したのか 先に紹介したクロスカブ110に続いて今回はCT125ハンターカブ。もはや説明不要の人気モデルで、2020年に正式発表されると予約だけで年間販売計画数8000台を突破。納車までに1年かかるとまで言われた、昨今のバイクブームの立役者となったモデルだ。 このブームは2021年も継続しており、二輪車新聞によると上半期の推定販売台数は4700台に上り、人気は衰え知ら…
-
車両情報
ZZ-R400は中型免許で希少な本格ツアラー、限定解除や逆輸入車への憧れを400ccで具現化した
アンチレプリカだったカワサキを象徴するZZR カワサキは日本のバイクメーカーの中で、変わり者としてライダーに愛されている。まず、最も変わっているのは、スクーターなどのコミューターを販売していないところ。そしてもう一つは、世界グランプリに対して一線を引いていること。特にWGPが最も熱かった1980年代に2年しか参戦しなかったことが、違いを決定づけている。 1980年代はWGPを頂点とするレースブ…
-
車両情報
クロスカブ110はCT125ハンターカブへの中継ぎモデルではない!? 本来のカブらしさも味わえる楽しい一台
ハンターカブ復活への伏線はクロスカブだった 以前、ヤングマシンの編集長をしていてスーパーカブ人気がじわじわ高まっていくのが気になり始めたのは10年程前のこと。毎年実施していた人気バイク投票企画で上位に名を連ねるようになったのだ。通説は、17インチサイズのミッション車が次々と絶版になり、選択肢が狭まったからというネガティブなものだった。 一方、ホンダの青山本社で行われているカフェカブミーティング…
-
コラム&エッセイ
今欲しい絶版名車5選【バンディット400LTD・KZ1000LTD・CB750F・XL600Rファラオ・RZ50】
バイクメディアで20年以上取材してきた私が選ぶバイクは…? 私の二輪業界の第一歩は1998年。『ビッグバイククルージン』に始まり、翌年から『ヤングマシン』編集部で仕事をするようになった。現在はWebikeに所属しており、二輪業界で20年以上の時間を過ごしてきている。その間、どのくらいのバイクを取材しただろうか。そして振り返って「今欲しいな」と思う絶版車とは? 独断と偏見で5台をピックアップしたい…
-
車両情報
バンディット250VはZX-25Rよりも精緻なメカを誇るシリーズの集大成!
GS250FWで初めて4気筒を発売したスズキはライバルの迎撃で苦しむことに ZX-25Rの登場で、2020年代に入り再び脚光を浴びている250cc4気筒モデル。その中でネイキッドの人気モデルとして1990年代に勢力を誇っていたのがバンディット250シリーズだ。 バンディットは、GSX-R系の水冷並列4気筒エンジンをトラス風のダイヤモンドフレームに搭載し、250と400で1989年にデビューした…
-
車両情報
最新ディオ110は意外な良作! ほぼPCXの走りが10万円も安く手に入る
ディオ110はこの10年でPCXに負けじと進化を重ねている ちょうど10年前の2011年、私はヤングマシンの取材で借りたディオ110とPCXを比較試乗していた。その時のインプレの締めは「19万9500円のディオ110と29万9250円のPCX。同じホンダの原2スクーターでもきっちり棲み分けができていることが分かりました」というもの。 現在、ディオ110は24万2000円でPCXは35万7500…
-
車両情報
SR400の本質はスポーツバイク、これを貫いた結果のロングセラー達成に拍手
軽量・スリム・コンパクトなスポーツバイクを求めて生まれたSR 2021年のSR400ファイナルエディションで43年の歴史に幕を閉じたSRは、今でこそクラシックモデルとして支持されているが、当初のヤマハのコンセプトは異なるものだった。SRは、1978年に提唱された「ヤマハスポーツ新時代」を体現する一台としてデビューしたもので、軽量・スリム・コンパクトさを追求するためにビッグシングルエンジンが選択さ…
-
車両情報
ADV150は、PCX150とは別モノ! コミューターではなくモーターサイクルとしても楽しめる
ADV150は、なぜADV125ではなく150でデビューしたのか? ADV150は、PCX150をベースに2020年にデビューしたスクーター。PCXシリーズは日本一売れているバイクなので、さらに派生機種まで出して台数を増やす必要はそれほどないはず。それでもADV150をリリースしたのは、普通免許スクーターの盛り上げが目的となる。 そこで選ばれたのがPCXという最強のベース車で、狙いが普通免許ク…