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小川 恭範の執筆記事一覧
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コラム&エッセイ
CB1100という夢の結晶【前編】~誰しも不可能だと考えていた2010年代の“新規開発”空冷エンジンが現実のものに!~
1980年代熱狂のバイクブーム時、ライバルを凌駕するための高性能化バトルの中で次々に消えていった「空冷エンジン」。年を経るごとに強化される“騒音”や“排ガス”という環境諸規制の面からも新規の登場は絶望的か……と思われていたのですが、なんとホンダから“エアクールド”な1140㏄並列4気筒エンジン搭載車が2010年にリリースされたのです! CB400SSというレジスタンス【後編】…
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コラム&エッセイ
CB400SSというレジスタンス【後編】~そして誰も居なくなった……。が、ビッグシングルスポーツ市場は不滅!~
年を経るごとに強化されていった環境諸規制の影響、特に排ガス浄化との兼ね合いによって空冷+キャブレター+ビッグシリンダーという不利な条件がトリプルで揃っている大排気量空冷単気筒モデルは厳しい試練の時代を迎えます。そんな現在へと続く苦闘の歴史を紐解く前に「CB400SS」同様、「SR400」の対抗馬として登場したスズキの“迷”……もとい、名車の紹介から進めましょう! CB400S…
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コラム&エッセイ
CB400SSというレジスタンス【中編】~ビッグシングルスポーツ戦線に向けて“スクランブラー”モデルも投入!~
1978年に登場以来、大排気量単気筒ロードスポーツ市場で快走を続けたヤマハSR400/500に対し、FT400/500、GB400/500 ツーリストトロフィーシリーズ、CB400SSと次々に刺客を放ったホンダ。実は途中で「CL400」という“スクランブラー”テイストに満ちたモデルも送り込んでいました。今回はCB400SS登場の伏線となった悲運の名車についても取り上げましょう! …
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コラム&エッセイ
CB400SSというレジスタンス【前編】~強大なライバルへ「もう一回、もう一回~♪」と挑み続けたホンダの意地~
「CB400SSのSSとは、Standard Singleの略でシンプルな美しさにこだわったスタイリング、および装備によって、400シングル(400ccの単気筒)のスタンダードをめざすという意味です」とはHonda公式ウェブサイト“ネーミングの由来”にあるとおり。21世紀最初の年となる2001年に、セルモーターすら持たないブランニューモデルが生まれた背景には何があったのでしょうか!? &nb…
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コラム&エッセイ
FZR250Rというフィナーレ【後編】~刀折れ矢尽きて迎えた終焉の刻。されどその価値は未来永劫、輝き続ける!~
大人の事情が見え隠れする馬力自主規制の影響により、1992年いっぱいでレーサーレプリカ、いや全ての250㏄バイクは2スト、4ストを問わず最高出力が40馬力以下となりました。各メーカーはパワーダウンへ真摯に対応して魅力を維持しようと努めますが、すでにユーザーの心は遠くへファラウェイ。人気を誇った大ブランド“FZR”も、その流れには抗いきれなかったのです……。 FZR250Rとい…
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コラム&エッセイ
FZR250Rというフィナーレ【中編】~未来からやってきた4スト250スポーツ、「FZ250フェーザー」が拓いた新局面!~
1980年から始まった熱狂的なバイクブームの起点となったのがヤマハRZ250であることに異を唱える人はいないでしょう。自他共に認める“2ストのヤマハ”はしかし、4ストヒットモデルをどこより渇望するメーカーでもありました。折しも“4ストのホンダ”との「戦争」で一敗地に塗れた悔しさをバネに、奮起した若手開発陣が秘密裏に創出したのが異次元の4ストクオーターだったのです! FZR25…
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コラム&エッセイ
FZR250Rというフィナーレ【前編】~レーサーレプリカブームを勃興させ、最後まで全力で駆け抜けたヤマハの象徴!~
「レーサーに保安部品を付けただけの市販車」という絶大なインパクトで新時代を切り拓いたのはRG250Γ、GSX-Rを放ったスズキ。しかし、そうして生まれた“レーサーレプリカ”というジャンルを約10年続く“猫も杓子も”な巨大ムーブメントへ高く高く押し上げたのはヤマハです(断言)。2ストが「RZ&TZR」なら4ストは「FZ&FZR」。今回は後者の完熟版に注目してみましょう! バンデ…
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コラム&エッセイ
バンディットという美学【後編】~転生で魅力をアップさせた400/250。そしてブランドネームは大排気量モデルへ!~
誤解を恐れず言えばとても“ゼファー(χ)ライク”なGSX400インパルスを1994年2月に登場させたスズキ。すでにバブルも崩壊しており、売れ筋モデルを絞っていくのだな……と思いきや! 1995年初頭にバンディット400/250をフルモデルチェンジさせて“走りのネイキッド”を再び世に問います。しかも珠玉のVCエンジンを250へも新たに導入。その顛末やいかに!? バンディットとい…
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コラム&エッセイ
バンディットという美学【中編】~勃興する“250シン・ネイキッド”の世界を牽引した艶やかなリトルダイナマイト!~
並列4気筒エンジンを搭載した美麗なるスズキのネイキッドシリーズ“BANDIT”。始祖となる400から遅れること半年、弟分である250が1989年12月に登場いたします(モデルイヤーとしては1990年型となりますネ)。その頃の日本バイク業界は進化のビッグバン……まさに”カンブリア大爆発“状態。今見れば奇妙キテレツ(?)な車両も山ほど発売されていたのです。 バンディットという美学…
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コラム&エッセイ
バンディットという美学【前編】~レーサーレプリカの直4エンジンを独特なスタイリングに落とし込んだ妖艶な山賊!~
今や“BANDIT”と言えば四輪のスズキが販売している小型車「ソリオ」のバリエーションネームとして広く知られておりますが(CMに出演されている橋本環奈さん、美し可愛いですね♡)、二輪好きなら並列4気筒エンジンを搭載した美麗なるネイキッドシリーズを想起してほしいもの。今回はその始祖となる400について、あれやこれやを語りおろしてまいりましょう。 GSR250という“アンチテーゼ…
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コラム&エッセイ
GSR250という“アンチテーゼ”【後編】~名より実を取るツーリング好きに熱烈歓迎された「S」と「F」が登場ッ!~
中国テイスト濃厚なネイキッドのGSR250にようやく見慣れてきたと思ったら、♪咲いた~咲いた~♫なハーフカウルを持つ「GSR250S」と、形容しがたいウネウネ感をまとうフルカウルボディの「GSR250F」が相次いでデビュー。これまた非常に残念な(広報)写真写りだったものの、その優れた素性をいち早く見抜いた旅好きライダーからは絶賛の嵐が巻き起こったのでありました! GSR250…
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コラム&エッセイ
GSR250という“アンチテーゼ”【中編】~クセ(=味)のあるゴリッパな車体に自由自在のハンドリングをプラス!~
「ニンジャやCBRやYZFが気になったけれど安いからGSRでいいかな~」という買い方をした人! 怒りませんから正直に手を挙げてみてください。……多いですね。では、手に入れて激しく後悔した人は? ……ほほう(ニヤリ)。はい、少なくとも筆者の知る範囲ではグチグチ愚痴を言うGSR250オーナーは皆無で「想定外に良かった」と絶賛する人ばかりでした。これぞ“ギャップ萌え”の成果!? G…
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コラム&エッセイ
GSR250という“アンチテーゼ”【前編】~日本市場においては想定外の大ヒットとなった質実剛健バイクの代名詞!~
自分を上回っているライバルがいれば徹底的に研究して凌駕していく。またやられたなら、さらに己を鍛え上げて再挑戦……。飽くなき商品性向上こそが絶対的な命題だった1970~1990年代のバイクブームにおいて、画期的なマシンを数多く生み出してきたSUZUKI。しかし2010年代、こと250ロードスポーツ市場においては高性能化バトルにソッポを向いた方向へと突き進んでいきます! エストレ…
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コラム&エッセイ
エストレヤというスーパースター【後編】~ 厳しくなるばかりな環境諸規制を乗り越えて令和の寸前まで現役続行! ~
1996年から1999年まで(サドルシートorロングシート)×(前輪ディスクブレーキorドラムブレーキ)という4つの仕様が選べたエストレヤ。なおかつ各車種ごとに凝ったカラーバリエーションが複数あったのですからカワサキ、気を吐きすぎ(笑)。選ぶ方も大変ということか2000年に車種統合が行われるも、壮大なマーケティング検証の結果でもあり高い人気は維持されました! エストレヤという…
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コラム&エッセイ
エストレヤというスーパースター【中編】~ A級保存版! “星”が生まれる前の250シングルロードスポーツ年代記 ~
お祭り騒ぎの1980年代バイクブーム。250㏄クラスのモデルを構成するエンジンも空冷、水冷、2ストローク、4ストローク、並列4気筒、V型2(3)気筒、並列2気筒、直列2気筒、そして単気筒とバラエティに富んで(富みすぎて!?)いました。そんな中、4スト単気筒エンジンはどのようなジャンルで活躍してきたのか……? エストレヤ以前の変遷をザザッと復習しておきましょう! エストレヤとい…
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コラム&エッセイ
エストレヤというスーパースター【前編】~ 実に四半世紀という長きにわたって走り続けたお洒落なシングルモデル ~
ウェイン・レイニーがYZR500を駆って世界GP500㏄クラスのチャンピオンとなり、Mr.Childrenがメジャーデビューを果たし、クレヨンしんちゃんと幽☆遊☆白書と美少女戦士セーラームーンがアニメ化された1992年(平成4年)。ゼファーの巻き起こしたネイキッド大旋風がバイク業界を席巻している中、スペイン語で“星”を意味する名前のレトロ可愛い単気筒バイクがひっそりと生まれたのです……。 &…
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コラム&エッセイ
YZF-R25という有頂天マシン【後編】~ ビッグマイナーチェンジ敢行で、さらにYZR-M1イメージがマシマシに! ~
本格的に発売が開始された2015年から2017年まで、250㏄クラスにおいて3年連続ブッチギリのトップセールスを記録したYZF-R25&MT-25シリーズ。ニンジャやCBR250RRといったライバルが次々にR25の36馬力を凌駕するハイパワーを引っさげて登場するなか、2019年に登場したモデルはマイチェン扱いでエンジンスペックは……35馬力ッ!? しかしそこにもヤマハの深慮遠謀と誠意アリ! …
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コラム&エッセイ
YZF-R25という有頂天マシン【中編】~ネイキッドの兄弟から小型二輪版まで。ヤマハプラットフォーム戦略が炸裂!~
2013年秋、レース仕様「R25」の鮮烈なアンベールから丸1年以上。プロトタイプに心を撃ち抜かれたライダー諸兄姉を待たせに待たせた「あーるにーごー」(←俗称の平仮名表記がなんだか気に入っちゃいました)は2015年、ついに街を走り出します。その誰にも優しい好性能とカッコいいスタイリングは隆盛を極めつつあったSNSにもよく“映え”、高い評価が拡散されていったのです! YZF-R2…
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コラム&エッセイ
YZF-R25という有頂天マシン【前編】~遅れてきた250フルカウルスポーツの真打ちは力持ちのイケメンだった!~
俗に「あーるにーごー」……。もうすっかりバイク好きなら老若男女を問わず宇宙人(?)にさえ通用するようなビッグブランドと化したヤマハ渾身の250スポーツ。すでにライバルメーカーが先行してシェアを食い合っていたジャンルに後発で登場しながら、その市場自体を爆発的に大きくした“立役車”でもあるのです。リリース当時の様相もフラッシュバックしながら紹介いたしましょう! バリオスという永遠…
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コラム&エッセイ
バリオスという永遠のジャジャ馬【後編】~パワー低下もなんのその。まさかの大改良によって“神馬”の魅力は衰えず!~
前編でも述べましたが「BALIUS」とはギリシャ神話に登場した不老不死である神馬の名前。1991年、とてもコンパクトながら非常に筋肉質という秀逸なデザインとZXR250譲りで45馬力を発生する超高回転高出力エンジンとの魅力が見事に融合してヒットモデルとなったバリオスは、小改良と大改良を繰り返して世紀をまたぐロングセラーとなっていったのです! バリオスという永遠のジャジャ馬【中…
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コラム&エッセイ
バリオスという永遠のジャジャ馬【中編】~甲高い排気音はまさに“天使の咆吼”。ライダーを高揚させたレプリカの心臓~
バリオス……いや、250クラスの並列4気筒スポーツネイキッド一番の魅力は何かと問われたら、筆者は「吸排気音!」と0.00043秒もかからず即答します。マフラーエンドから吐き出される音はもちろんなのですが、股ぐらにあるキャブの鼓動やカウルという遮音壁を持たないがためダイレクトに体へ伝わるエンジンの武者震いが独特な響きを奏でたのです!! バリオスという永遠のジャジャ馬【前編】はコ…
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コラム&エッセイ
バリオスという永遠のジャジャ馬【前編】~ZZ-R250とZXR250の間を埋めた……否、巨大な山脈となった超人気モデル~
1989年、最後発の250㏄並列4気筒レーサーレプリカとして生まれた「ZXR250」。1990年にデビューしたクラス唯一のスポーツツアラー「ZZ-R250」。そして1991年、ZXRのエンジンをネイキッドボディに搭載した「バリオス」が登場いたします。当時吹き荒れていた“ゼファー旋風”も追い風に大ヒットを記録し、ベスト&ロングセラーへの道を歩み始めました! ホーネットというバッ…
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コラム&エッセイ
ホーネットというバックシャン【後編】~ トコトコ普段使いまでこなす超高回転型エンジンのアンビリーバブルな実力~
コスト面、排ガス浄化面、対振動騒音対策などで有利な面が多いパラレルツイン(並列2気筒)エンジンばかりがもてはやされる令和の世。そんななか、遠くからも聞こえるホーネットの甲高い排気音はとても印象に残ります。周囲を一瞬で平成へと引き戻す珠玉の250㏄並列4気筒エンジンはいかにして生まれたのか……紐解いてまいりましょう! ホーネットというバックシャン【中編】はコチラ 先行を許した…
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コラム&エッセイ
ホーネットというバックシャン【中編】~ 唯一無二の個性的な外観とエキサイティングな操縦安定性が見事に融合!~
「ジェイドの仇はホーネットで討つ!」とホンダ開発陣が思ったかどうかは不明ですが、想定ほどの支持を得られなかった従来モデルの反省点を生かし、車名も一新された新世代の250㏄並列4気筒ネイキッドは、登場するなり引く手あまたな存在となります。いざ走らせてみても非常に個性的かつ安心感のあるハンドリングは“さすが”の仕上がりっぷりでした! ホーネットというバックシャン【前編】はコチラ 「250㏄はこ…