- ホンダのCRF250L、CRF250ラリーだけでなく、2024年末にはカワサキからKLX230、KLX230シェルパが登場。2025年には久々の400ccクラストレールとなるスズキ・DR-Z4SやKTM・390エンデューロRがリリースされ、ヤマハも2026年1月から久々のトレールモデルとなるWR125Rを発売!!
こんな感じで近年にわかに盛り上がりつつあるのがオフロードバイクというジャンルだ。ただこのオフロードバイク、いざ始めようとするとちょっとばかし特殊でエントリーユーザーにはわかりにくいことも多い。そこでオフロードバイク遊びをするためのハウツーや用語を毎回少しずつ紹介していく本企画。今回はオフロードバイク乗りがよく装着している車体のガード類の話だ。
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そもそも転倒に強いオフロードバイク。それでもガード類は必要なの!?

文字どおりエンジンやフレームなど、車体の下回りを守るのがエンジンアンダーガード。写真はヤマハのWR250R用アンダーガード(ワイズギア製)。
舗装路上での故障やトラブルなら、近くの街まで押して歩いたりロードサービスを呼ぶなりすればいいのだが、そのトラブルが起きた場所がダート林道となると話はちょっと変わってくる。まずもって山奥の林道では携帯電話の電波がつながりにくく、助けを呼ぶにしてもひとまず歩いて電波の届く場所へ出る必要がある。もし電話がつながったとしても、レスキューが林道の奥まで来てくれるかどうかは別問題。ロードサービスの業者によっては“未舗装の林道は対象外なので舗装路まで出てきてください”なんて言われることも……。

水冷エンジンの場合、ウォーターポンプまわりもしっかり保護しているかどうかもアンダーガード選びの重要なポイント。ラジエターに冷却水を圧送するウォーターポンプは水冷エンジンの弱点であり、ここをぶつけて水漏れを起こした状態で走るとすぐに焼き付きを起こすため、破損したその場で走行が不可能になる。
ダート林道好きのライダーは、そんな場所へわざわざバイクを走らせに行くのだから、パンク、レバー欠損といった軽微なトラブルであれば自力で復旧するスキルが自然と身に付く。それにトレールバイクをはじめとするオフ車はもともと転倒しても、ウインカーが破損したり、カウルやフェンダーが割れたりすることがあまりないようになっている。
具体的には、フェンダーなどの外装パーツは柔らかくしなやかな素材が用いられ、ウインカーも衝撃を受けると根本から外れたり、ゴムパーツがしなることで破損を防ぐような構造になっていたりする。また電気系のレギュレートレクチファイヤなどの壊れると走れなくなるようなパーツは、転倒や飛び石で破損しないような場所を選んで取り付けられているものだ。
車体の下回りを守るエンジンアンダーガードは必須!!
ただそれでも防げない、もしくはもし破損すると大変面倒なことになる場所は追加のガード類で保護してあげる必要がある。特に重要なのが、エンジンの下回りを守るエンジンガードだ。スキッドプレートなどと呼ばれることもあるが、概ね同じものだと思ってもらって構わない。

フロント21インチホイールなど大径ホイールを履くことで最低地上高を稼いでいるオフロードバイクとはいえ、フィールドに出ればエンジンヒットしそうな大きな岩や段差などにはいくらでも出会うことになる。
エンジンガードが守るのは、文字通りエンジンや腹下を通るフレームだ。岩や段差を超える際のヒットからエンジンを守り、また前輪が跳ね上げた飛び石を弾き返す。岩角や段差でのヒットはライダーのライディングスキルや心掛け次第で防ぐことができるが、怖いのは飛び石である。トコトコレベルの速度で走っているぶんには小石が当たる程度でエンジンに小さなキズがつく程度で済むが、速度を上がってくると握り拳大の石が跳ね上げられ、“ドガンッ!”と割と大きな音をたててぶつかることもある。

写真のアンダーガードは筆者が20年ほど使っているものだが、飛び石によるキズは無数にあるのはもちろん、握り拳大以上の石が当たったと思われる大きな凹みやひび割れもできている。これらのキズはアンダーガードがしっかりエンジンを守ってくれた証拠というわけだ。
そんな場面での通過で、もしエンジンガードを付けていなかったとしたら、飛び石のあたりどころが悪くエンジンの下回りに穴をあければエンジンオイルが漏れ出し、進退極まって即リタイヤ。ダート林道でオフロードバイクを走らせるなら、激しい難所を走るつもりがあろうとなかろうとアンダーガードは付けておいた方が吉というわけだ。
飛び石対策という意味ではブレーキまわりも同じ。ガレ場で転倒した際にちょっと当たりどころが悪ければ、低速転倒だろうとディスクブレーキのローターは簡単に傷がついたり、歪んでしまう。転ばぬ先の杖じゃないが、不確定要素への保険は多めにマージンを取る、それこそがオフロードバイクのセオリーであり、ダート林道を走るならアンダーガードは必須である理由。 「攻めるわけじゃないから、別にそこまで…」と思っていても、飛び石の発生は避けられないのだ。

ブレーキディスクを守るローターガードやディスクカバーも、その傷つき具合を見てしまうと付けておいた方が良さそうな気がしてくる。写真はWR250Rに取り付けた、20年もののYZ用の純正ブレーキディスクプロテクター。
転倒時のレバー欠損を防ぐハンドガード

CRF250Lに取り付けたアチェルビスのハンドガード。アルミの芯入りで藪漕ぎ時のブッシュヒットはもちろん、転倒時にもしっかりレバーをしっかり守ってくれる。
アンダーガードの次に取り付けたいのがレバーガードもしくはハンドガードだ。色々種類があるが、風除け効果やブッシュ対策だけでなく、転倒時に本気でレバーを守りたいならバーエンドに連結されたクローズドタイプ、しかも金属の芯が入ったものがおすすめだ。ただし、乗り心地優先のしなやかなスチール製ハンドルにあんまり剛性の高いガードを付けてしまうと、転倒時にガードのクランプ部に応力が集中して一発で曲がってしまう。金属の芯が入ったような、がっちりしたハンドガードを付けるなら、まずハンドルを頑丈なアルミテーパータイプに交換しておきたい。

凹凸の多いダート林道。転倒時に運悪く岩にレバーをヒットさせると簡単に折れてしまう。まぁ、スペアレバーを持っていれば交換すればいいんだけど、スペアレバーもそう沢山持ち運べるわけではないのでハンドガードが必要になる。
選び方が難しいエンジンガード
アドベンチャーバイクなどの重量車の場合、エンジンガードを装着しておくと転倒時に無用な破損を防ぐことができる。ただ、アンダーガードにせよエンジンガードにせよ、取り付ければ取り付けるだけ車体は重くなるので注意。アンダーガードだけでも数キロあるものもあるし、エンジンガードの場合5kgを超えるような製品もザラにあるのだ。

筆者がテネレ700に取り付けているツアラテック製のエンジンガード。左右独立型もあるが、ガード力の高さで選ぶなら左右のパイプを連結して固定するタイプがいい。
エンジンガード選びのポイントは、しっかりガード力があるのか? を確認すること。一部メーカー純正アクセサリーなどには、見た目は100%エンジンガードなのだが「フォグライトステー」とか「サイドパイプ」なんて微妙な表現を使う製品もある。これらの製品は転倒時にエンジンをしっかり守れるような強度がないから、“ガード”ではなく、“ステー”や“パイプ”などという微妙な表現を使っているというわけだ。
見た目を気にするなら付けておきたいフレームガード
次に紹介するのは地味に大切なフレームガード。というのも、硬くてゴツイオフロードブーツを履いていると、妙にフレームにキズが付き、放っておくと塗装がハゲて地金が見えるくらい摩耗してしまう。特に泥や砂が付いたオフロードブーツを履いていると思いのほかフレーム塗装にキズが付く。

WR250Rに取り付けたフレームガード(ワイズギア製)。走行不能になるわけじゃないが、見栄えを考えると新車のうちにプロテクターなり、キズ防止シートなりを貼っておきたい。
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> ⑭「オフロードバイクは高速道路が苦手!?」
> ⑮「ダート林道は一人で走っちゃいけないの!?」
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> ⑰「最近流行りのアドベンチャーバイクってなに!?」
> ⑱「オンロードタイヤを履いたオフ車!? モタードモデルってどういうこと!?」
> ⑲「ビッグオフってなに!? アドベンチャーバイクと違うの!?」
> ⑳「レトロ系!? それともオフ車!? スクランブラーってナニモノなのさ!?」
> ㉑「コンペティションモデル その1 ーモトクロッサーとトレールバイクはどう違うの!?ー」
> ㉒「コンペティションモデル その2 ーモトクロッサーとエンデューロレーサーー」
> ㉓「オフロードではなんでゴーグルを使うの!?」
> ㉔「ガード類はどこまで付ければいいの!?」
