バイクのインプレッション記事やバイク乗り同士の会話で出てくるバイク専門用語。よく使われる言葉だけど、イマイチよくわからないんだよね…。「そもそもそれって何がどう凄いの? なんでいいの?」…なんてことは今更聞けないし。そんなキーワードをわかりやすく解説していくこのコーナー。近年バイクでも普及が進んでいる電装系の『スマートキー』だ。
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そもそも『スマートキー』とは?
前回紹介したイモビライザーは、イグニッションにキーを差し込んだ時にキーに埋め込まれたチップが通信を行い認証することで電気的なロックの解除を行うシステムだったが、『スマートキー』は無線による相互認証を行う非接触式のキーになっている。
バイクのセンサーがキーを感知する範囲でイグニッションを操作すると電波による通信で認証が行われ電源がオンになる仕組みとなっており、『スマートキー』を身につけておくだけで始動・運転が可能。
4輪の世界では一般的になりつつあるが、バイクの世界でも普及が進んでおり、少し前まで大型のファンモデルにしか装備されていなかったが、近年では125ccクラスの小排気量モデルにも搭載されるようになってきている。
『スマートキー』のここがスゴイ!
乗降時にキーを取り出す必要がない
当たり前かもしれないが『スマートキー』の最大の効用はここにある。例えば雨の日にバイクに乗ろうとしたとき、レインウエアを着用してバイクに近づいたのはいいが、キーをズボンのポケット仕舞い込んでいることを思い出してげんなり……、なんてことはライダーなら誰もが一度は経験したことはあるのではないだろうか?
そんな場合でも『スマートキー』仕様のバイクならお構いなし。晴れの日も雨の日も『スマートキー』を身につけて近づくだけでバイクに乗れて、ハンドルロックも可能。使ってみると、とにかくバイクの乗り降りが楽になる印象なのだが、まだまだ過渡期にあり、モデルによってはイグニッションに関してはキーレスなのに、燃料タンクのキャップやシートオープンにメカニカルキーによる操作が必要な車両もある。
『スマートキー』はイグニッション操作でキーを取り出す必要がなくなるだけでなく、アンサーバック機能が付いていることも多い。アンサーバック機能とは、離れた場所から『スマートキー』のボタンを押すと、ハザードが点滅したりビープ音が鳴ったりする機能で、混雑した駐輪場などで愛車を見つける際に重宝する。
↓PCX160のスマートキー&トップボックスの説明は15分あたりから。
『スマートキー』の電池が切れたらどうなるの?
さてこの『スマートキー』。便利なのはわかるが電池が切れたらいったいどうなるだろうか? 大抵の場合は電池が切れそうになるとメーターのインジケーターが電池の消耗を教えてくれるようになっている。……のだが、それを無視して電池が切れてしまったような場合にも、イグニッションスイッチを使ったコード入力や特定の部位にキーを近づけることでバイクが起動できるようになっている。
いずれにせよ電池切れの際には何らかの救済策がとられていることが多いので取扱説明書で確認しておくとともに『スマートキー』の使用するボタン電池がコンビニなどで手軽に手に入るタイプのものなのかもチェックしておこう。
『スマートキー』を洗濯してしまったらどうなる?
ポケットにバイクのキーを入れたまま洗濯機に放り込んで洗濯してしまう。よく……ではないかもしれないがバイクに乗っていれば何度かはやることだ。さてこの電子機器である『スマートキー』を誤って洗ってしまったらどうなってしまうのか?
当然ながら取扱説明書には“『スマートキー』は水で濡らさないでください”的なことが書いてあるのだが……、実は僕は一度洗ったことがある(笑)。とは言っても洗ったのはバイクじゃなくて軽自動車、ホンダのN-VANの『スマートキー』なのだが、ズボンのポケットに入れたまま洗濯機に放り込み、洗濯・すすぎ・脱水と、見事にフルコース回してしまった。
気づいたときには洗濯の全ての行程が終わってしまっていたのだが、ひとまず電池を取り出すべく分解してみたところゴムのパッキンのおかげで完全には浸水しなかった模様。しっかり乾かして新品の電池に交換してみたら特に不具合はなく、今でも普通に使えている。これが運が良かっただけなのか? それともそういうコトもある程度想定して作られているのかわからないが、モノによっては洗濯に耐える『スマートキー』があることも確かなようだ。
ちなみに知人のライターさんは、愛車の『スマートキー』を洗濯してしまって見事に水没。『スマートキー』を新調するだけで3万円近い出費になったというから、僕は運がよかっただけなのだろう。『スマートキー』車両のオーナーは、洗濯にはとにかく気をつけた方がいい。
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