バイクのインプレッション記事やバイク乗り同士の会話で出てくるバイク専門用語。よく使われる言葉だけど、イマイチよくわからないんだよね…。「そもそもそれって何がどう凄いの? なんでいいの?」…なんてことは今更聞けないし。そんなキーワードをわかりやすく解説していくこのコーナー。電子制御サスペンション解説の2回目、前回は基本の仕組みとその効用を解説したが、今回は現在主流となっている『セミアクティブサスペンション』を見ていこう。
そもそも『セミアクティブサスペンション』とは?
そもそもとして“セミ”アクティブサスペンションがあるなら、アクティブサスペンションはあるの? と思うかもしれないが2023年現在、バイクの世界にアクティブサスペンションというものは存在しない。
というのもアクティブサスペンションは究極のサスペンションといわれており、一般的な“縮み方向への衝撃吸収と減衰力の強弱の調整”だけでなく、“伸び方向への積極的な伸展まで行い能動的に路面を追いかけて制振する”サスペンションのこと。とにかく乗り心地がいい(揺れがなく)ことで電車や車の一部ではこのアクティブサスペンションが実用化されているが、サスペンションユニットのコンパクト化が求められ、前後2輪という特殊な構造のバイクへは2023年現在では実用化されていない。
『セミアクティブサスペンション』のここがスゴイ!
リアルタイムでサスペンションの減衰力の強弱を調整する
……ということになる。現代の『セミアクティブサスペンション』は、1/1000秒でサスペンションの動きを検知し続けており、1/1000㎜ぐらいの単位で伸び側と圧側の減衰力コントロールを常に行なっている。そんなことが可能になったのは、ソレノイドバルブと呼ばれる、緻密な制御を瞬間的に行える“電磁弁”が実用化されたことが非常に大きい。
またサスペンションの“どれくらいの速度”で“どれくらい動いているか?”の動きを検知するストロークセンサーについても、以前は外付け式だったものが小型化され、サスペンションユニット内部に収めることができたことが、『セミアクティブサスペンション』大幅な進化&普及につながった。
『セミアクティブサスペンション』の実用面的な効用はというと、ソレノイドバルブと内蔵型ストロークセンサーによる即応性の向上だ。
例えば、フロントフォークが同じ量をストロークする場合にしても、IMUによって速度やコーナリングの状態などによって制御を変えることもできるし、ストロークの速度が遅い場合はスムーズにソフトな乗り心地を提供し、逆にフルブレーキングなどの極端に速いストローク速度を検知すれば瞬時に減衰力を高めて踏ん張りながらフルボトムを防ぐ……なんてことも可能なのだ。
『セミアクティブサスペンション』を搭載したモデルは、状況に合わせて瞬時にソフトでコンフォートな乗り味から、硬めのスポーティ走行に向く足回りに“瞬時”に切り替えられるというわけである。
最近、スズキが発表したGSX-S1000GXなどはその典型的な存在で、1台のバイクでありながら『セミアクティブサスペンション』を搭載することで、スポーツ走行からツーリングや街乗りといったセッティングがモード設定で切り替わり、コンフォートなモードでも、最後の最後は電子制御サスペンションが踏ん張ってくれるためサスペンションは破綻しないというわけである。
スズキの新型モデルGSX-S1000GXのインプレッションについてはいずれ詳しくお伝えさせていただくとして、次回の「バイクのソレなにがスゴイの!?」では、IMU、ミリ波レーダーによるACCといった先進機能が組み合わさることでさらに進化した“スカイフック制御”や“ジャンプ制御”、“ハイトフレックス(アダプティブライドハイト)”といった最新の電子制御サスペンションの世界を紹介します!
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エンジン系:水冷、DOHC、ハイオク、4バルブ、可変バルブ、ダウンドラフト吸気、ユニカム、デスモドロミック、過給システム、ラムエア、ターボ、スーパーチャージャー、アシストスリッパークラッチ、油冷エンジン、
車体系:ラジアルタイヤ、アルミフレーム、ダブルディスク、ラジアルマウントキャリパー、ラジアルポンプマスターシリンダー、スポークホイール、倒立フォーク、モノショック、リンク式サスペンション、チューブレスタイヤ、シールチェーン、シャフトドライブ、プリロード調整、減衰力調整機構その①、減衰力調整機構その②、メッシュホース、モノブロックキャリパー、大径ディスク、ペタルディスク、フローティングディスク、
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