バイクのインプレッション記事やバイク乗り同士の会話で出てくるバイク専門用語。よく使われる言葉だけど、イマイチよくわからないんだよね…。「そもそもそれって何がどう凄いの? なんでいいの?」…なんてことは今更聞けないし。そんなバイク関連のキーワードをわかりやすく解説していくこのコーナー。今回は、バイクの『オートマチック変速機構』の第6回目。厳密にはオートマチックではないがBMWの『イージー・ライド・クラッチ(ERC)』をピックアップ! ホンダのe-クラッチは電子制御だけど、BMWの『イージー・ライド・クラッチ(ERC)』は機械式っていったいどういうことなのさ!?

そもそも『イージー・ライド・クラッチ(ERC)』とは?

2026年6月26日に行われたBMW Motorrad Japanによる「BMW F450GS 商品説明会」の様子。

2026年6月26日に行われたBMW Motorrad Japanによる「BMW F450GS 商品説明会」の様子。

 

近年、マニュアルミッション(いわゆるギヤ付き)エンジンでありながらオートマチック化する技術が各社から発表され、ホンダはDCT(Dual Clutch Transmission)、ヤマハはY-AMT(ヤマハ-オートメイテッド・マニュアル・トランスミッション)、BMWはASA(オートメイテッド・シフト・アシスタント)を搭載した二輪車を実用化している。そんななかでちょっと毛色が違うのがホンダのe-クラッチで、チェンジペダルによるシフト操作そのものはライダー自身で行うものの、クラッチ操作に関しては電子制御化している。

2026年5月より受注が開始され、2026年9月の納車が予定されているBMW F450GS。ロードスポーツバイクのG310RベースのG310GSからは一線を画し、しっかりGSシリーズとしての性能を追求したモデルとして登場。このレーシング・ブルー・メタリックを纏ったGSトロフィー仕様のF450GSは『イージー・ライド・クラッチ(ERC)』を搭載している。

2026年5月より受注が開始され、2026年9月の納車が予定されているBMW F450GS。ロードスポーツバイクのG310RベースのG310GSからは一線を画し、しっかりGSシリーズとしての性能を追求したモデルとして登場。このレーシング・ブルー・メタリックを纏ったGSトロフィー仕様(国内モデル)のF450GSは『イージー・ライド・クラッチ(ERC)』が標準装備される。「BMW F450GS 商品説明会」には、BMWドイツ本国のグローバル・マーケティング・ダイレクターであるマルティン・シュライペン氏(中央)も来日した。

 

クイックシフターとの違いは、走行中だけでなく発進停止までクラッチレバー操作を必要としない“半オートマ”的な機構で、エンジン回転数による作動制限もないところ。また面白いのはクラッチレバーがないわけではなく、クラッチレバーを使ってのギヤチェンジも併用できるということである。そんな特徴から、これからバイクに乗ろうというライダーにとっては、運転技術習得のハードルになりやすい“半クラッチ〞操作をしなくていいというメリットがあり、長年バイクに乗ってきたベテランにとっても、クラッチレバー操作のしすぎによる疲労の軽減といった効果が見込める。

“ERC(イージー・ライド・クラッチ)”の文字が誇らしげに入れられたBMW F450GS トロフィーのエンジンカバー。普通のMTバイクのクラッチ同様ケーブルがある。

“ERC(イージー・ライド・クラッチ)”の文字が誇らしげに入れられたBMW F450GS トロフィーのクラッチケースカバー。普通のMTバイク同様、クラッチを操作するケーブルがあり、またカバーの張り出しがノーマルに対してやや大きくなる。ちなみにエンジンのカバーはマグネシウム製というこだわりようだ。

 

実際、筆者もe-クラッチ搭載車に乗ったことがあるが、思いのほかスムーズなクラッチワークに感心しきり。停止時に1速にするのを忘れ、2速、3速で発進してしまうようなときも(クラッチに良くないので故意にはやらないように!)スムーズに繋いでくれることに驚いた。ちなみにe-クラッチ搭載車の免許区分に関しては、AT限定免許の区分には入らずいわゆる“フツー”の自動二輪免許が必要になる。……と、このあたりまではBMWの『イージー・ライド・クラッチ(ERC)』も、ホンダのe-クラッチもだいたい一緒のようだがいったいナニが違うのだろう。

『イージー・ライド・クラッチ(ERC)』のなにがすごいの?

エンジン駆動の遠心力を使ってクラッチを繋ぐので構造が簡単!

ホンダのe-クラッチ同様、クラッチレバー操作をせずとも発進&ギヤチェンジができる『イージー・ライド・クラッチ(ERC)』。e-クラッチとの一番の違いは、『イージー・ライド・クラッチ(ERC)』は電子制御ではなく、機械式というところにある。つまりe-クラッチは、“センサーがギヤチェンジ(ライダーの意思)を感じると電子制御でクラッチを操作”していたのだが、『イージー・ライド・クラッチ(ERC)』には、“センサーどころかアクチュエーターもないので構造がとにかくシンプル”。エンジンの回転力を利用した“遠心分離装置”が、エンジン回転数約2700回転に達するとクラッチを繋ぐようになっている。

 

『イージー・ライド・クラッチ(ERC)』のクラッチユニット構造図。一番の特徴はクラッチハウジング側にある“遠心分離装置”を内蔵していることで、文字どおり遠心力を使った機械式となっている。ホンダのe-クラッチがシフトセンサーやECU含めて約2kg増なのに対し、『イージー・ライド・クラッチ(ERC)』の重量増は発表されてはないが、“遠心分離装置”が1枚入るだけなのでそこまでの重量増にはならない。

『イージー・ライド・クラッチ(ERC)』のクラッチユニット構造図。一番の特徴はクラッチハウジング側にある“遠心分離装置”を内蔵していることで、文字どおり遠心力を使った機械式となっている。ホンダのe-クラッチがシフトセンサーやECU含めて約2kg増なのに対し、BMWが搭載している『イージー・ライド・クラッチ(ERC)』 は具体的な重量の変化は公表されていないものの、“遠心分離装置”が1枚入るだけなので大きな重量増にはならないのがメリット。

 

残念ながらまだ『イージー・ライド・クラッチ(ERC)』の操作、走行フィーリングはまだ試せてないものの、筆者は同様の構造を持ったリクルス製の“遠心分離装置”クラッチを組み込んだエンデューロモデルには乗ったことがある。フィーリングとしては、e-クラッチほどの繊細さはなく駆動の繋がりにややタイムラグを感じるものの、いっさいクラッチレバー操作(……というかそもそもクラッチレバーがなかった)が不要なことにびっくりさせられた。試乗したのがエンデューロモデルということもあるが、テクニカルな場面でエンストの心配をせずブレーキやハンドル操作に集中できる不思議な感覚があったのだ。

BMWの『イージー・ライド・クラッチ(ERC)』にもクラッチレバーは残されており、レバーを使ってのクラッチ操作も可能。ただしクラッチレバーの操作感に関しては、ノーマル状態のF450GSに比べてやや操作が重たい印象を受けた。ちなみにエンジン停止時は常にクラッチレバーを握っているのと同じ状態となるため、坂道の駐輪ではギヤを1速に入れておいてもバイクは前後に動く。

BMWの『イージー・ライド・クラッチ(ERC)』にもクラッチレバーは残されており、レバーでの操作も可能。ただしクラッチレバーのフィーリングに関しては、ノーマル状態のF450GSに比べてやや操作が重たい印象を受けた。ちなみにエンジン停止時は常にクラッチレバーを握っているのと同じ状態となるため、坂道の駐輪ではギヤを1速に入れておいてもバイクは前後に動くことになる。

 

『イージー・ライド・クラッチ(ERC)』も、原理的には一緒であり、“電子制御のe-クラッチより、はるかに仕組みがシンプルでイージーライドができる”というところが大きなメリット。特にバイクの免許取りたてでクラッチ操作が不慣れな初心者や、クラッチレバー操作に疲れてきたベテランにとって利点の多い機構となりそうだ。

5月より受注予約受付中のBMW F450GSの価格は、スタンダード(コスミック・ブラック)が96万1000円で、スポーツ仕様(レーシング・レッド)が98万4000円、『イージー・ライド・クラッチ(ERC)』搭載のトロフィ仕様(レーシング・ブルー・メタリック)が103万3000円となっている。

5月より受注予約受付中のBMW F450GSの価格は、スタンダード的な存在のエクスクルーシブ仕様(コスミック・ブラック)が96万1000円。プリロード調整が可能な倒立フロントフォークを装備したスポーツ仕様(レーシング・レッド)が98万4000円。スポーツサスペンションに加え『イージー・ライド・クラッチ(ERC)』搭載したトロフィ仕様(レーシング・ブルー・メタリック)が103万3000円となっている。

 

BMW F450GSの主要諸元 ●全長2161 全幅956(ハンドプロテクター含む) 全高1210 軸距1465 シート高845(各mm) 車重165kg(乾燥) ■水冷4スト並列2気筒(135°クランクレイアウト)DOHC 4バルブ 420cc 48ps/8750rpm 4.3kg-m/6750rpm 変速機形式6段リターン 燃料タンク容量14ℓ ■ブレーキ F=ディスク R=ディスク ■タイヤF=100/90-19 R=130/80-17

 

 

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車体系ラジアルタイヤアルミフレームダブルディスクラジアルマウントキャリパーラジアルポンプマスターシリンダースポークホイール倒立フォークモノショックリンク式サスペンションチューブレスタイヤシールチェーンシャフトドライブプリロード調整減衰力調整機構その①減衰力調整機構その②メッシュホースモノブロックキャリパー大径ディスクペタルディスクフローティングディスクLMW片持ちスイングアームセパレートハンドルベルトドライブ

電子制御フューエルインジェクションIMUABSコーナリングABS電子制御スロットルクルーズコントロールアダプティブクルーズコントロール(ACC)ブラインドスポットディテクション(BSD)クイックシフターコーナリングライトエマージェンシーストップシグナルCAN通信CAN/コントローラエリアネットワークヒルホールドコントロールシステムトラクションコントロール その①黎明期トラクションコントロール その②FI連動トラクションコントロール その③バタフライバルブ連動トラクションコントロール その④ IMU連動モータースリップレギュレーション(MSR)バックスリップレギュレーター(BSR)ウイリーコントロールローンチコントロール電サス その①黎明期電サス その②セミアクティブサスペンション電サス その③ スカイフック&ジャンプ制御etc電サス その④ オートレベリング&アダプティブライドハイトレーダー連動UBS(ユニファイドブレーキシステム)衝突予知警報FCWフォワードコリジョンワーニング排気デバイス

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